EUR/USD、EUR/JPY、ECB、FOMC、日本銀行-トーキングポイント



米欧の金融政策格差に伴い、ユーロが対米ドルで上昇している。FRBは来週FOMCで利上げ後、あと1回利上げするか市場で見方が分かれている。ECBは来週金融政策決定会合での利上げに加え、年内あと1回の利上げが織り込まれている。

資料BloombergよりDailyFXが作成
米欧のインフレ状況の違いが、金融政策格差に繋がっている。米国ではインフレ鈍化が進展している一方、ユーロ圏ではコアインフレを中心に高止まりが見られる。ECBは来週の金融政策決定会合にて利上げ後も、コアインフレの高止まりを背景として、更なる利上げを示唆することを見込む。ECBの金融引き締めスタンスは、ユーロのサポート要因になろう。

資料:Trading Economics
ユーロドル(EURUSD)見通し
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -3% | 3% | -1% |
週次 | -10% | 16% | -2% |
4月から5月初めにかけてのレジスタンスであった1.092ドルを上方ブレイクしており、上昇圧力(EUR高USD安)が一段と高まっている。また、MACD(移動平均収束拡散手法)ラインが上向きかつ、シグナルラインを上抜けており、上昇の勢いは衰えていない。
テクニカル面で強気のシグナルが点灯していることに加え、ECBが利上げ継続を示唆することを見込む中、2021年1月から2022年9月のユーロドルの値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント61.8%水準1.12748レベルが新たな上値として視野に入る。上方ブレイクすると、2022年2月10日高値1.14950レベルまでレジスタンスがなく、上昇の勢いが加速する可能性がある。
一方、ユーロドルが下落した場合、レジスタンスからサポート転換したことが期待される1.092レベルをトライしよう。
ユーロドル(EURUSD)日足チャート

資料:Trading View
ユーロ円(EURJPY)見通し
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -10% | -6% | -7% |
週次 | -17% | -7% | -10% |
アセンディングトライアングルパターンのレンジ幅から推察される目標為替レート154.035円を突破して以降、サポート転換しており、ユーロ円の下値は限定的との見方を投資家に印象付けている。一方、相場の迷いを示唆する「同時線」が示現しており、
ECB理事会に加え、日本銀行が来週金融政策決定会合を開催する。日銀の金融政策修正を巡る不確実性が高まっているものの、ユーロ円の下値が限定的との見方が広がる中、ECBが利上げ継続を示唆し、日銀が金融政策を据え置いた場合、日欧の金融政策格差に伴い、一段のユーロ高円安を見込む。リーマンショック前後のサポートなっていた157.38レベルをトライしよう。
一方、日銀が金融政策修正を実施した場合等、サポート転換している154.035円へユーロ円が下落する可能性がある。
ユーロ円(EURJPY)日足チャート

資料:Trading View



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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著