FXの分析方法について:
- トレーダーが市場の動きを予測し、トレンドを分析するために使用するFXの分析方法には、一般に3つのタイプがあります。
- トレーダーは、自分の性格やトレードスタイルに合わせて、1つまたは複数の分析方法を使い分ける傾向にあります。
- FXのデモ口座で、分析方法を用いてトレードを見極める際に役立ちます。
取引を想定して、FXを分析するにはいくつかの方法があります。さまざまな分析のカテゴリーがありますが、トレーダーは良い取引機会を見極めるのに足るだけの分析にとどめるべきです。
この記事では、最も一般的な3つのFXの分析方法、すなわち、ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析、センチメント分析の概要と、それらをどのように取引戦略の形成に役立てるかを解説します。これらの知識を得た後でどのような分析が自分のトレードスタイルに合っているかは、自分自身で判断していきましょう。




最も一般的な3種類のFXの分析方法:
1)ファンダメンタルズ
FXにおけるファンダメンタルズは、主に通貨の金利が中心となります。これは、金利が為替レートに大きな影響を与えるためです。その他、国内総生産、インフレ、製造、経済成長活動などの基本的な要因も含まれます。しかし、そのような通貨の金利以外のファンダメンタルズのニュースの良し悪しよりも、それらのニュースがその国の金利にどのように影響するかのほうが重要です。
ファンダメンタルズのニュースを追うトレーダーは、それらのニュースが今後の金利の動きにどのような影響を与えるかを念頭に置く必要があります。投資家がリスクを求めている状態では、お金は利回り(金利の高い通貨)を追い、金利の上昇イコール投資の増加となります。投資家がリスクを嫌う心理状態におちいると、お金は利回りから安定した通貨へと移っていきます。
DailyFXのウェブサイトでは、ファンダメンタルズの発表が通貨の価値にどのような影響を与えるかを見極めるためのさまざまなツールを提供しています。たとえば経済指標カレンダーでは、今週予定されているイベントをご確認頂けます。
2)テクニカル
FXのテクニカル分析では、価格推移のパターンを見て、より確率が高くなる新規注文や決済注文の時間と場所を決定します。 FXで、テクニカル分析は最も広く使われている分析の一つです。
外国為替市場は最大かつ最も流動的な市場の一つであることから、値動きにともなうチャート上の動きは、一般的に隠れた需要と供給のレベルを知る手がかりとなります。他にも、どの通貨が最も強いトレンドにあるかなど、パターン化された動向は、チャートを見ることで確認することができます。この例を以下のチャートで見てみましょう。 GBP/USDチャートでは、 米ドルは英ポンドに対して強くなっています。

他のテクニカル分析は、インジケーターを使用しておこなうことができます。トレーダーの多くは、シグナルが読みやすく、より簡単にFXができるようなインジケーターを好んで使用しています。
FXにおけるテクニカル分析とファンダメンタルズ分析の違いについては、広く議論されているテーマです。どちらのタイプの分析が優れているかという質問に正解はなく、トレーダーは分析にどちらか、または両方を組み合わせて使用する傾向があります。
3)センチメント
FXにおいては、センチメントも広く普及している分析方法の一つです。センチメントが圧倒的に一方向に傾いているということは、大多数のトレーダーがすでにそのポジションにコミットしているということです。
これは、次のような例で考えると分かりやすくなります。大多数のトレーダーや投資家が、ユーロに対して強気であるケースを仮定してみましょう。 トレーダーや投資家は、ユーロが高くなると考えています。取引はトレーダーの考えを示していると言えます。そのため、DailyFX(IGクライアントセンチメントを使用)をもとに判断できるのは、ユーロ/米ドルのセンチメントは大多数のトレーダーがこの通貨ペアを買っていることを示しているということです。

買い手のトレーダーが大量に存在するということがわかっていますが、これらの買い手は将来の売り手となります。最終的には取引を終了させる必要があるからです。これらの買い手が方向転換し、取引を終了するため売りに出た場合、ユーロ対米ドルの値が急激に引き戻される可能性があります。
より賢明な方法は、個人投資家のセンチメントと機関投資家のセンチメントをそれぞれ分析することです。DailyFXのシニアアナリスト、タイラー・エールが、Commitment of Traders(CoT)レポートを分析して機関投資家の市場がどのように位置づけられているかを把握する方法、そしてそれをどのようにして自分の取引分析に取り入れたらよいかという点について説明しています。
詳細については、IGCSにもとづく取引機会を提供する、DailyFXのセンチメント取引をご覧ください。
FXのテクニックを取引に生かすには
トレーダーは、3種類のFXの分析方法をミックスして活用することができます。
- ファンダメンタルズ分析を用いた長期的なトレンドの把握
- テクニカル分析とそれにともなう指標を用いた理想的なエントリーポイントの特定
- クライアントセンチメントを取引に入る前の最後の確認項目として活用
これら3つの方法を使ってFXのトレンドをどのように分析するか、具体的な例をご覧ください。
1) 長期的なトレンドを見極めるために、ファンダメンタルズを利用する:
国のGDP、金利やインフレ率を分析することで、その国の経済力、ひいては通貨の実力を知ることができます。例えば、米国が利上げサイクルを開始すれば 米ドルは魅力的に見えるでしょう。多くの投資家やトレーダーが米ドルを買うことにより、米ドルの価値は上昇します。
2) 堅実なテクニカル分析をおこない、市場への参入を見極める:
マルチタイムフレーム分析とMACDや相対力指数(RSI)のようなインジケーターを用いて 、トレーダーは市場への理想的なエントリーポイントを見つけることができます。
3)クライアントセンチメントを考慮する:
ロングまたはショートをしているトレーダーの数を観察する、あるいはネットショートとネットロングの動きの差を取引することで、クライアントセンチメントを分析することができます。しかし、重要なのは、個人投資家は一般的なトレンドに反して取引をおこなう傾向があるため、クライアントセンチメントは逆張りの指標となるということです。


