
異なるFXの時間足を使用すると大きなトレンドを見つけることができ、また細かいプライスアクションがはっきりします。異なる時間足の間で切り替えることにより、同じ通貨ペアについて違った見方が生まれますが、これは分析に役立つことも妨げとなることもあります。そのため最初のトレードをおこなう時から、FXの時間足についてしっかり理解しておくことが重要です。
本稿ではビギナーズガイドとして、FXにおける時間足の概念、その課題、なぜ役に立つか、どのように実行できるかについて説明します。



マルチタイムフレーム分析で使うFXの時間足とは?
FXの時間足は一般に長期、中期、短期に分けられます。トレーダーがトレードの可能性について分析する際はこれら3つをすべて利用することも、単に長期の時間足1つと短期の時間足を1つ利用することもできます。長期の時間足はトレードのセットアップを認識する上で役立ち、短期の時間足はエントリーのタイミングを決める上で有用です。
FXの時間足
分類 | トレードスタイル | トレンドを見るための時間足 | トリガーを見つけるための時間足 |
---|---|---|---|
長期 | ポジショントレード | 週足 | 日足 |
中期 | Swing trader | 日足 | 4時間足 |
短期 | デイトレード | 4時間足 | Hourly |
スキャルパー | 1時間足 | 15分足 |
マルチタイムフレーム分析はFXにどのようなメリットがある?
複数のFXの時間足を切り替えることにはいくつものメリットがあります。これはFXと株式を比較して見ると明らかとなります。FXはその圧倒的な流動性により、非常に短い時間足の観察でも意義ある情報を得ることができますが、同じ時間足でも流動性の低い株式では、価格が変動していなければ新しいデータポイントが存在しない場合があります。
FXの時間足に有利なもう一つのメリットが平日FX市場は24時間トレード可能であることです。立会時間が異なるため(アジア、欧州、米国)、アジアの立会時間帯中はレンジ相場となり、欧州と米国の立会時間が重なる時間帯はトレンドのあるマーケットとなるなど、異なるマーケット状態になる傾向があります。トレーダーはさまざまな時間足を利用してこれらの異なるマーケットの特徴を活かすことにより最適なエントリーポイントを見つけることができます。
どのFXの時間足でトレードをすべきか?
FXを始めて間もないトレーダーの多くは、他よりも良い時間足があるのではと考えがちです。基本的にはFXのトレードにおけるベストな時間足はトレーダーのトレードスタイルとトレード戦略により大きく異なります。
ベストな時間足を選択するには、まずどのようなトレードスタイルとトレード戦略を取るかを検討してください。これらがトレードに適した時間足に影響します。その後、自分にとって使いやすいテクニカル分析チャートを選択し、徹底的な分析をおこない、すべてのトレードについて堅実なリスク管理の実施を確実におこないます。



トレード戦略に合致するFXの時間足を使用する
1つの通貨ペアを異なる時間足で分析したトレーダーは、往々にして相反する見解を得ます。たとえば日足が上昇トレンドを示していても、1時間足は下降トレンドを示している場合があります。それではどちらの方向にトレードをするべきでしょうか?
この混乱は、トレードを考えるトレーダーの心に不要な不安を生じさせます。そのためトレーダーは自分のトレード戦略に従ってトレードする時間足を計画することが重要なのです。
スイングトレードの例
トレンドフォロー戦略を取るスイングトレーダーは、小さな時間足のチャート上の値動きを見て急いで決断することを避けるべきです。短い時間足のチャートではトレンド反転に見える動きを目にするかもしれません。しかし日足チャートを見れば、トレンドはいまだ好調に推移していることが明確となります。
トレンドの反転の誤解を招くようなシグナルを示すEUR/USDの4時間足チャート

長い時間足を組み込むことによりトレーダーは通貨ペアの「全体像」を見ることができ、長期トレンドや、場合によりセンチメントを把握することができます。一方短い時間足のチャートはマーケットへ参入するタイミングを図るために使用できます。
日足チャートを見れば、正しい時間足の観察により、下降トレンドが明確に継続していることがわかります。
EUR/USD日足チャート: 明確な下降トレンドが続いていることを示す

分析を複雑化させすぎずに、できるだけ多くの情報を組み込むためには、マルチタイムフレーム分析を採用すべきです。
この手法の優れている点は、両方の時間足にテクニカル分析を適用しているので、トレードにより確信が持てることです。
トレンドを見つけるテクニカル分析テクニック
- FXのトレンドラインを理解し認識する
- 200日移動平均線(日足を使用するトレーダー向き)
- 移動平均収束拡散手法(MACD)
エントリーポイントを見極めるテクニカル分析手法
- 移動平均線のクロス
- ローソク足の分析
- サポートラインとレジスタンスラインの重要な価格帯を使用する
- RSIやMACDなどの指標を使用する


