どの世界もそうですが、トレードには多くの業界用語があり、新しく学ぶ人にとっては難しく感じられます。本稿では、通貨ペアが買われ過ぎている、または売られ過ぎているとは何を意味するか、またこれらの状況からどのようなトレードの機会が生じるかについて解説します。
買われ過ぎと売られ過ぎについてのポイント:反転の確認にRSIを使う
- 買われ過ぎとは上方への値動きを意味し、売られ過ぎは下方への値動きを意味します。
- 価格がこれらの両極の水準に達すると、反転が起こり得ます。
- 反転を確認するために相対力指数(RSI)を使用できます。
FXでの買われ過ぎ・売られ過ぎとは
この2つの用語はそれ自体が本質をよく表しています。買われ過ぎとは、大きな戻りがなく一定期間大幅かつ一貫した価格の上昇がある期間として定義されます。これは下のチャートのような「左下から右上へ」の価格動向として明確に定義されます。
FXを学ぶ: USD/CAD1時間足チャート – 買われ過ぎ

売られ過ぎとは、大きな戻りがなく一定期間大幅かつ一貫した価格の下落がある期間を言います。必然的に「左上から右下へ」の動きとなります。下のチャートを参照してください。
FXを学ぶ:AUD/JPY週足チャート – 売られ過ぎ

価格は永遠に一方向に動き続けることはないため、ある時点で反転します。一定期間買われ過ぎまたは売られ過ぎた通貨ペアには反転する大きな機会がありますが、非常に長い期間にわたり買われ過ぎまたは売られ過ぎの状態を維持する通貨ペアもあります。そのためトレーダーはオシレーターを使用し、いつ反転が起こり得るかを判断する助けとする必要があります。
買われ過ぎまたは売られ過ぎの際のRSIの使い方
買われ過ぎまたは売られ過ぎの水準を測るために使用できる簡単なツールとして相対力指数(RSI)があります。基準はシンプルです。RSIが70以上になると買われ過ぎで、反落の可能性があると判断します。RSIが30未満になると売られ過ぎで、反発の可能性があると判断します。
RSIの買われ過ぎと売られ過ぎの水準

下のチャートが示すようにRSIは長期間にわたり買われ過ぎまたは売られ過ぎの状態を維持する場合があるため、RSIを使用してトレードをエントリーする前にトレーダーには忍耐力が求められます。トレーダーがよく犯す間違いは、買われ過ぎまたは売られ過ぎの領域へと進み続ける強力な動きの天井または底を拾おうとする試みです。ポイントは、RSIが70以下または30以上になるまでポジションのエントリーを遅らせることです。
RSIの買われ過ぎまたは売られ過ぎが長引いているときのシグナル

上のチャートが示しているように、RSIが明らかに70の水準を超え買われ過ぎと読める状態となっても、経験あるトレーダーは、価格がどこまで動き続けるか不確かであるため、すぐには売りません。理想的にはRSIが70未満へ戻るまで待ち、それからショートでトレードを仕掛けます。これにより、よりよいエントリーとなり、より高い確率のトレードとなります。RSIが30未満になった場合も同じルールがあてはまります。
よくある質問(FAQ)
買われ過ぎや売られ過ぎのシグナルはどれほど信頼できますか?
単独のシグナルとしての買われ過ぎと売られ過ぎのシグナルは、完全には信頼できるものではありません。家を建てる場合を考えてみてください。建設者はハンマーに頼りますが、家全体を建てるにはハンマー単独では価値がありません。ハンマーと組み合わせる、のこぎりやドリルなどのその他のツールが必要です。買われ過ぎと売られ過ぎのシグナルについても同じことが当てはまります。シグナルを強化し、最終的にトレーダーが堅実なトレードの判断をおこなうことができるような補助的なツールが必要です。たとえば、トレンド分析、リスク管理、センチメント分析は、買われ過ぎと売られ過ぎのシグナルを補足する上で役立つツールです。
買われ過ぎと売られ過ぎのシグナルを補強し裏付けるには何をすべきでしょうか?
買われ過ぎと売られ過ぎのシグナルを補足するために使用できるいくつかの一般的なツールがあります。以下はトレードの判断を向上させることのできるツールです。
- トレンド分析 – トレンドを見極めることにより、トレーダーは買われ過ぎと売られ過ぎのシグナルを使用してエントリーポイントを選ぶことができます。たとえば、上昇トレンドでは売られ過ぎのシグナルをトレンドの方向に一致する「ロングのエントリー」ポイントとして選ぶことができます。反対のことが下降トレンドにもあてはまります。
- リスク管理 – 適切なリスクリターンレシオの使用は、維持すべきストップとリミットの水準に関係します。
- センチメント分析-顧客センチメントデータを利用して買われ過ぎと売られ過ぎのシグナルを検証します。


