
はじめに:テクニカル分析入門
テクニカル分析は、チャートやトレードプラットフォームの進化により、とても人気の高いトレード手法になっています。しかし、初心者がテクニカル分析を活用してマーケット動向を予測するのは、かなり難しいことなのです。
テクニカル分析とは、マーケットにおける値動きを研究し、過去のチャートパターンや指標を活用してマーケットの将来の動向を予測することです。この分析手法はマーケットの過去と現在のパフォーマンスを視覚的に表現したものであり、トレーダーは分析から得た情報を元にプライスアクション、指標、チャートパターンなどの形で、トレード前に将来のトレンドを導き出すことができます。
本記事ではテクニカル分析における基礎知識やトレードでの活用方法を紹介します。



テクニカル分析入門①テクニカル分析を理解する
テクニカル分析はチャートからパターンを読み取ります。トレーダーは主に価格と出来高に基づいた過去のデータを活用し、マーケットの共通パターンを考慮しながらトレードの機会を見極めていきます。さまざまな指標をチャートに適用しながらエントリーとエグジットのポイントを決定することにより、リスク・リターン比を考慮したトレードの可能性を最大限に高めていくことができるのです。
下のチャートはMACDとRSIの活用例です。

ファンダメンタルズ分析では、経済データがマーケットを動かす主な要因に位置付けられますが、テクニカル分析においては、過去のトレンドが将来の値動きを予測できるものであるという考え方に基づいています。トレーダーのスタイルは個々で異なりますが、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の違いを理解し、それらをどのように組み合わせるのが有効であるかを考えることが大切です。
テクニカル分析入門②テクニカル分析を活用する
多くのトレーダーは、悩ましいリスク管理においてテクニカル分析が有効なツールであることを知っています。テクニカル分析のコンセプトと原理を理解することができれば、どのようなマーケットにも適用できる柔軟な分析ツールになるからです。ファンダメンタルズ分析はマーケットの本質的な価値を見極めることができ、テクニカル分析はトレンドを把握することができます。双方の目的が異なっていると感じられるかもしれませんが、トレンドはファンダメンタルズ要因が関連しているケースが多いことも忘れないでください。
テクニカル分析を活用するメリットは以下の通りです。
- すべてのマーケットで、どのようなタイムフレームにも適用できる
- 独立した手法として活用することができる
- マーケットのトレンドを把握することができる
テクニカル分析入門③テクニカル分析でチャートを活用する
下図の例はユーロ/米ドルのローソク足チャートです。

チャートはテクニカル分析において必要不可欠です。なぜなら、マーケットにおいて過去と現在のパフォーマンスを測る最も重要な尺度は価格であり、トレードの可能性を分析する際の出発点になるからです。プライスアクションは価格がどのように動いているかを明確に示すものであるため、チャートで表すことができます
チャートは全体的なトレンドを判断するだけではなく、対象銘柄が上昇トレンドにあるのか下降トレンドにあるのかを知ることができます。また、トレンドが長期的なのか短期なのか、特定レンジ内での価格動向はどうなっているのかなど、さまざまな情報を与えてくれます。テクニカル分析のチャートで最も代表的なものは、ラインチャート、バーチャート、ローソク足チャートです。
バーチャートやローソク足チャートを活用した場合は、それぞれの期間における始値、高値、安値、終値の情報を得ることができます。特にローソク足分析は、特定のパターンやそれぞれのパターンとの関係性によって、将来における価格の方向性を予測することに役立ちます。
チャート作成の基本を身につけることでトレンドを判断するための指標を活用することができるでしょう。
テクニカル分析入門④テクニカル分析の代表的な指標
テクニカル分析を活用するトレーダーは、マーケットでのチャンスを探るときに指標を用います。さまざまな指標がありますが、トレーダーが頻繁に活用するのは出来高および価格ベースの指標です。これらの指標はサポートラインとレジスタンスラインの価格がどこにあるのかを知ることができ、さらにそれらがどの程度の頻度で維持されているか、またはブレイクアウトされているのかなどの判断を可能にします。また、トレンドの長さを把握することにも役立つでしょう。
トレーダーは価格やその他の指標において、1秒から1カ月までのマルチタイムフレーム分析を活用して確認することができますので、価格の動きを異なる視点から検証することもできます。
下記は、テクニカル分析の指標としてよく使われるものです。
- 移動平均線
- 相対力指数(RSI)
- 移動平均収束拡散手法(MACD)
次のユーロ/米ドルのチャートでは、さまざまな指標を活用する方法を示しています。
移動平均線とMACDはマーケットのトレンドを見極めるために、RSIはエントリーとエグジットのポイントを判断するためによく使われます。これらの指標は、トレーダーがマーケットを分析してセットアップを検証すること、さらにエントリーポイントを決定することにも役立つのです。



