ボリンジャーバンドとは、テクニカルトレーダーに価値あるシグナルを提供し、他のテクニカル指標やプライスアクションテクニックと組み合わせることによりFXにおけるボラティリティと潜在的な反転についての視点を提供します。
本稿では以下の点について解説します。
- ボリンジャーバンド手法とは?
- ボリンジャーバンドのしくみ
- ボリンジャーバンドの計算方法
- ボリンジャーバンド手法の適用方法: ヒント
- ボリンジャーバンド手法の利点と欠点



ボリンジャーバンド手法とは?
ボリンジャーバンド手法は、従来のボリンジャーバンドにおけるバンドの上限と下限の差異をパーセンテージで測定します。チャートツールの中には、ボリンジャーバンドをメインのチャートの下にオシレータータイプのレイアウト(下の図参照)で表示可能なものがあります。

ボリンジャーバンドのしくみ
ボリンジャーバンドは、マーケットの値動きに対して変化するボラティリティを示します。下のチャートは、ボリンジャーバンドの幅が狭まるとボラティリティが低下し、バンド幅が広がるとボラティリティが上昇する様子を示しています。保ち合い(ボラティリティの低い状態)期間の後は、価格が上または下に勢いよく動く傾向があります。逆に、ボリンジャーバンドが相対的に上昇すると(ボラティリティの高い状態)、通常は現在のトレンドの反転のシグナルとなります。

ボリンジャーバンドの計算方法
バンド幅の計算式は以下の通りです。
バンド幅 = (ボリンジャーバンドの上限 - ボリンジャーバンドの下限)/ボリンジャーバンドの中央の線
ボリンジャーバンド手法の適用方法: ヒント
ボリンジャーバンドを使うトレード方法はいくつかありますが、最も一般的に使用されるのはブレイクアウトの動きと反転の動きを使った手法です。
ボラティリティの低い(スクイーズ)時のボリンジャーバンドの手法

上の図はEUR/USDの日足チャートを示しています。四角で囲んだ部分のチャートとボリンジャーバンドは、低いボラティリティと保ち合い(横這いの動き)の期間を示しています。ボリンジャーバンドの狭まり(スクイーズ)は、その後すぐに急な動きが生じることを示唆しています。
残念なことにボリンジャーバンドはそれ以上の情報を提供しないため、エントリーとエクジット水準を確認するにはプライスアクション、ボリンジャーバンド、その他テクニカル手法を活用する必要があります。
ボリンジャーバンドの反転手法

USD/JPYの日足チャート上のボラティリティの上昇またはボリンジャーバンドの幅の広がりは、USD/JPYが四角で示した新安値に達していることを示しています。この放物線状の値動きとボラティリティの上昇は潜在的なトレンドの反転を示唆しています(この場合は上向きの反転)。
この例はさらに、長いヒゲのあるローソクの形成が、新安値が強気派により押し上げられたという裏付けの証拠も提供しています。前述したようにボリンジャーバンドはエントリーとエクジット水準を示唆しないため、他のツールを組み合わせて使用する必要があります。 フィボナッチ水準はエントリーとエクジットの水準を決定するためによく使用され、またプライスアクションのトレンドラインもサポートラインとレジスタンスラインの価格を設定します。



ボリンジャーバンド手法の利点と欠点
利点 | 欠点 |
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一般的かつわかりやすい。 | 裏付けとなるテクニカルツールや指標を使用する必要がある。 |
潜在的に強い値動きを見極める (リスク・リワード比率が高い)。 | さまざまな状況で使用されるため、初心者トレーダーにはそれぞれの手法の違いを区別することが難しい。 |