この記事では、すべてのトレーダーが知っておかなければならないFXのクォート(為替レートの提示)で最も重要な部分を取り上げています。さらに、通貨ペアの動きを読むための大きなヒントについても解説します。
- Xのクォートの基礎知識
- 売値と買値
- スプレッド
- 自国通貨建てと外国通貨建て
- FXのクォートを理解し、解釈するための大きなヒント
FXのクォートは、ある時点での異なる通貨の価格を反映しています。トレーダーの損益は価格(クォート)の動きで決まるため、通貨ペアの読み方をしっかりと理解しておく必要があります。
FXのクォートとは何か?
FXのクォートは、ある通貨の価格を他の通貨に置き換えたものです。これらのクォートには必ず通貨ペアが関係しています。FXでは、ある通貨を買って別の通貨を売ることになるからです。例えば、EUR/USDの通貨ペア をみると、1 ユーロ のレートは、1.1404ドルと表示されることがあります。ブローカーは通貨ペアに対して2つのレートを提示し、通常の市場環境において、2つのレートの差額 (スプレッド)を受け取ります。
ここでは、FXのクォートのさまざまな側面について説明していきます。数字を統一するために、同じクォートを使用します。こちらの例をご覧ください。
Example of EUR/USD forex quote

FXのクォートの基礎を理解する
通貨ペアを正しく読むためには、トレーダーは以下のようなFXのクォートに関する基礎知識をもっておく必要があります。
ISOコード: 国際標準化機構(ISO)は、国際的な規格標準を制定して発行しており、これを世界の通貨に適用しています。つまり、各国の通貨は3文字に略されているのです。例えば、 ユーロはEUR、米ドル は USDとなります。
基準通貨と変動通貨:FXのクォートは2つの通貨が表示され、左側に表示されるのが基準通貨で、右側に表示されるのが変動通貨です。基準通貨のレートは、常に変動通貨の通貨単位で反映されます。先ほどのEUR/USDの例で言えば、1ユーロが1ドル14セントと04 pipsということになります。1セントの端数を物理的に持つことはできませんが、これは外国為替市場における共通の特徴と言えるでしょう(珍しいことではありますが)。

売値と買値
FXでは、1つの通貨ペアは常に以下のように2つの異なるレートで提示されます。

売値(売り)のレートはトレーダーが通貨を売ることができる価格で、買値(買い)のレートはトレーダーが通貨を買うことができるレートです。英語では、「ビッド(売値)」を「買い」の意味で考えるのが自然であるため、混乱するかもしれません。売値/買値の言葉は、ブローカー側の視点ということを覚えておいてください。
トレーダーは常に、レートが低いときにFXを購入し、レートが上昇したときに売却することや、通貨の下落を予想してFXを売却し、将来的に安いレートで買い戻すことを考えています。
スプレッド
一般的に、通貨を買うレートは、その通貨を売るレートよりも高くなります。この差はスプレッドと呼ばれ、ブローカーが取引を実行することで収益を得ています。主要通貨ペアの方が、取引高が多く流動性が高いため、スプレッドが狭い(少ない)傾向にあります。EUR/USDは最も広く取引されている通貨ペアのため、この例のスプレッドは0.6pipsと狭くなっています。

自国通貨建てと外国通貨建て
クォートは、トレーダーが居住する国の「自国通貨」を基準にして表示されるのが一般的です。米国のトレーダーがユーロを買う場合の自国通貨建てのクォートは、EUR/USDと表示され、クォートは米ドル建てで表されているため、米国の居住者に向けた表示となります。この自国通貨建ては、米国の居住者に対する自国通貨建てで示した1ユーロのレート、1.1404となります。
外国通貨建てクォートは、基本的には自国通貨の逆数(1/自国通貨建て=0.8769)となります。自国通貨1単位の価値を、外国通貨に換算して示したものです。外国通貨建ては、海外で購入した外貨を国内通貨に換算する際に便利です。
FXのクォートを読むためのポイント
- 売値(ビッド)と買値(アスク)のレートはブローカー側の視点でみたものです。トレーダーは、買値のレートで通貨を購入し、売値のレートで売却します
- 基準通貨は通貨ペアの左側に表示される通貨であり、クォート通貨は右側に表示される通貨です
- JPY以外の通貨ペアの最小変動幅は1ピップ(クォート価格の小数点以下第4位で1桁の変動、日本円ペアでは小数点以下第2位で1桁の変動)です
- スプレッドは、トレーダーが取引で実現する最初のハードル(取引コスト)です
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