FXのトレードで感情をコントロールする方法をプロが解説！

今回は、まず、昔からの決り文句である「感情でトレードするな」について考察していく。これは、可能なのだろうか。我々はロボットではないため、ロボットのように行動したり、頭の中で考えていることを抑制したりするべきではないはずだ。

裁量トレーダーは、クオンツトレーダーのようにトレードの条件をプログラミングしたり、意思決定プロセスから「自己」を排除したりするわけではない。

ただし、クオンツのようなトレードを実行していないとはいえ、意思決定プロセスを導き、リスク管理のための厳格なルールを定める必要がある。トレードプランを作成することは、ネガティブな感情（恐怖など）を和らげ、ポジティブな感情（自信など）を強調するための最初のステップと言える。

しかし、どれほど準備ができていても、トレードに影響を与える考え方や感情と向き合わなければならない。その場合、すべては自己認識から始まる。自己認識を深めることは、自分自身とその長所・短所をよく理解することを意味する。

例えば、恐怖から考えてみる。恐怖はトレードでよく経験する非常に一般的な弱点と言える。具体的な原因としては、ポジションサイズが大きすぎることだ。不適切なサイズでトレードを実行すると、損益のボラティリティが非常に拡大し、適切なリスク制限の下でトレードしていれば通常はしないような不合理なミスを犯す可能性がある。簡単な解決策は、ポジションサイズを管理可能なレベルまで小さくすることだ。

また、ドローダウンを経験している際にも、より大きな恐怖心を抱く可能性がある。ドローダウンはトレードにつきものだが、適切にコントロールしなければ、資金的なダメージだけでなく、心理的なダメージを与えるほど深刻な影響を及ぼす可能性がある。

このような状態におちいった場合、まず、自身が苦戦していることを認めて、マーケットから離れて休息することが必要だ。時間を空けることで、ほぼ確実に気持ちが楽になるはずだ。気持ちを切り替えられたら、次は根本的な問題を特定してほしい。

そこから、目の前にある問題を1つずつ修正していく。ただし、一度にすべての問題を解決しようとすると、自分自身を苦しめてしまうので注意したい。必要な修正を完了させたら、リスクが低くなるようなサイズでトレードを再開させると良いだろう。この時点の目標は、損失をすぐに取り戻そうとするのではなく、質の高いトレードを実行して自信を回復させることだ。

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自信と興奮は我々にとって重要な感情である。これらは良いトレードにおける最後の要素だ。もし、自分自身をトレードに促すようなレベルの自信を持っていない場合、「正しい」トレードを実行していない可能性が高いだろう。ここでの「正しい」トレードとは、自身の分析にともなったトレードという意味である。

はっきり言うと、悪いトレードが勝つこともあるのと同様に、良いトレードは負けることもある。つまり、良いトレードだけで勝ち・負けを続けることが大事だ。トレードに対する自信を確認するために立ち止まることも、この考え方を確実にするのに役立つだろう。

自信や興奮がないにもかかわらず、良いセットアップが目の前にある場合、それはマーケットに関連した要因（例：ボラティリティが高すぎる）、あるいは個人的な感情（最近の損失に対する恐怖を感じている）がある可能性が高い。自身の戦略に適していない相場環境には近づかないことが賢明だ。マーケットと関係のない恐怖を経験している際にトレードを実行しない場合、その恐怖を乗り越える方法を見つけるべきである。多くの場合、ポジションサイズを目に見えてわかるほど縮小させるという単純な方法で解決するはずだ。

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自分を欲張りで過信していると感じているだろうか。過信はおそらく良い結果を得て抱いている感情だろう。ただし、過信は注意しなければ無謀になり、ドローダウンかそれ以上の損失を出してしまう可能性がある。

過信していると自己認識し、自分自身の状態を認めることが先決だ。この際には、ストップや利益確定目標を遵守しているか、リスク管理を徹底しているか、良いトレードのセットアップであるかなど、適切なトレードのプロセスを経ているかどうかを確認するのもよいだろう。トレードをうまく実行している場合は、非効率的なトレードを見落としているかもしれない。ただし、さらに良いトレードを実行できている可能性や、あるいは長期的に見れば利益よりも大きな損失をもたらしかねないことを実行している可能性もある。