概要:
- プライスアクションの分析は、潜在的なトレードの機会を特定するための強力な手段である
- トレンド、サポートライン・レジスタンスライン、マーケットの反応のシグナルを特定する方法を検証する
- すべての方法を統合し、トレードの意思決定まで導く
テクニカル分析は多くの分野で構成されているが、その根底にはプライスアクションがある。トレンド、価格水準(サポートライン・レジスタンスライン)、マーケットの反応の3つが重要な要素であり、トレーダーに実用的なシグナルを提供する。



FXで使えるプライスアクション1. トレンド
トレンドとその強さを示す指標は数多くあるが、単純な価格の観点からトレンドを定義すると、マーケットがより高い高値とより高い安値を更新しているか(上昇トレンド)、より低い安値とより低い高値を更新しているか(下落トレンド)、あるいは高値と安値を更新しておらずレンジを形成しているかということになる。
トレンドはすべての時間軸で発生するが、経験則として、長期間の時間軸の方が短期間の時間軸よりも優先される。例えばFXの場合、日足と4時間足を組み合わせることで、包括的な全体像を得られる。
4時間足(短期間)では上昇トレンドが発生している可能性がある一方で、日足(長期間)では下落トレンドが展開している可能性がある。この場合、日足チャートのトレンドを重視し、ある時点で短期的なトレンドが長期的なトレンドに回帰する可能性を考慮する必要がある。
上昇トレンドの例

TradingViewでチャート作成
下降トレンドの例

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FXで使えるプライスアクション2. サポートライン・レジスタンスライン
プライスアクションを予測する上で、サポートラインとレジスタンスライン(価格水準)が次に重要である。サポートラインとは、単に需要(買い手)が価格をサポートし続けるポイントであり、レジスタンスラインとは、供給(売り手)の形態であり、マーケットが上昇を続けられないポイントである。フィボナッチレベル、移動平均線など、サポートラインとレジスタンスラインを特定する方法は数多くあるが、今回は実際の価格水準、トレンドラインに注目する。
さまざまな角度のサポートラインとレジスタンスラインが重なると、より強固で信頼性の高い水準となることは重要である。例えば、トレンドラインと交差する水平方向の価格水準がある場合、より強固なシグナルとなる。
サポートライン・レジスタンスラインの例

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サポートライン・レジスタンスラインとトレンドラインの重なりの例

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FXで使えるプライスアクション3. マーケットの反応(有効化、無効化)
値動きを予測する上で3つ目の側面として、トレンドの中において価格水準に対するマーケットの反応を考慮することが挙げられる。マーケットで見られるプライスアクションを有効化、あるいは無効化しているかに注目する。この部分が、トレードの意思決定を下す上で最重要と言っても過言ではない。
プライスアクションを評価する方法として、ローソク足パターンを利用することが最適だ。明確な反応や拒否反応を示すローソク足の種類は、反転を表すローソク足(別名「ピンバー」、「流れ星」、「強気のハンマー」)や、包み足などの強力なローソク足である。
これらのローソク足は、サポートラインまたはレジスタンスラインから離れる拒否反応を示しており、マーケットに参加すべきかどうか判断するための重要な指標であるモメンタムの変化を表している。
テクニカル分析入門
テクニカル分析チャートパターン
推薦者: Paul Robinson
サポートラインやレジスタンスラインから反転すると、スイングロー(ロングポジションの場合)および、スイングハイ(ショートポジションの場合)を利用して、ストップ注文の位置を決定できる。この場合、その水準による上下のわずかな値動きによって作動しないように、水準を超えた位置でストップ注文を置くことが最善である。さらに、リスクに対して十分なリターンを得られるように目標を設定すべきである(一般的なルールとして、リスクリワードレシオは1:2以上)。目標もストップ注文と同様に分析にもとづく必要があり、自身が得たいリターンの金額によってランダムに決定されるべきではない。
レジスタンスライン付近での強力な反転の例

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--- マーケットアナリスト ポール・ロビンソン著
ロビンソン氏に連絡するには、Twitterで@PaulRobinsonFXまでお願いいたします。
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