ドル、円、ドル/円 - テクニカル分析見通し
- ドル/円は、小幅下落のリスクがある
- ドル/円は、長期的に機能する重要なレジスタンスに直面している
- どの程度の下落となるのか、そして注目すべき重要な水準とは?



ドル/円:短期テクニカル分析見通し - 中立
ドル/円は1日、取引時間中に有効だった重要なレジスタンスを上抜けられず、それを下回る水準で推移していることから、今後は小幅下落する展開となる公算が大きくなっている。
1日のニューヨーク外国為替市場でドル/円は反発していたものの、依然として10月25日の高値149.00付近の重要なレジスタンスを下回って推移している。これは、200四半期移動平均線と2012年からの上昇チャネルの上端と重なっている主要なレジスタンスエリアである1998年の高値147.65から下げに転じた10月21日に続く動きである(下図参照)。
ドル/円 四半期足チャート

資料:TradingView
さらに、週足チャートで見ると10月の高値圏には立て続けにヒゲの長いローソク足が示現しており、特にここ数カ月で急伸した流れを考えると、主要なレジスタンス近辺で売り買いが拮抗していることが示されている。小さなヒゲ、あるいは全くヒゲのない実体の大きなローソク足の示現は、レジスタンスをブレイクする可能性を高める。しかし、長いヒゲを持つ小さなローソク足の示現は、相場が一方向に向かうのに十分なモメンタムに欠けることを反映する傾向があり、レジスタンスがすぐに突破される可能性は低くなることを示唆している。日足と週足のチャートでネガティブダイバージェンス(価格上昇時にモメンタムは停滞または低下している)が見られることも、この見方をさらに補強している。つまり、相場上昇の勢いにはやや陰りが見えていると言える。
現在、焦点は9月の高値圏145-146に位置する当面のサポートである。このサポートを決定的に割り込めば、短期的な上昇圧力が弱まったことが確認され、レンジ内でのもみ合いまたは多小幅下落が予想される。さらなる下降局面では、89日移動平均線(DMA)と7月の高値に近い9月の介入時の安値140.35に向かって下落する可能性がある。ドル/円がこの移動平均線を決定的に下回ったのは、相場急伸が始まる前の2021年初頭であった。
ドル/円 日足チャート

資料:TradingView
このような場合、全体的な上昇トレンドの中での調整とみなすことができる。月足や四半期足などの長期チャートにおける上昇モメンタムは依然として強く、下落は短期間で終わる可能性がある。この点において重要な指標は89日移動平均線であろう。ドル/円が200日移動平均線(現在131.50)に向かって下げを拡大するには、この水準を割り込む必要があるだろう。
--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著


