※2023年4月3日16時48分更新
今週のドル相場: 対ユーロ、対英ポンド、対円での見通し
- イースター休暇を控えた今週、米国では経済指標の発表が多く、ドル相場は小動きにとどまる可能性がある
- 今のところ、各国の金融政策と経済の見通しの違いからは限られた手掛かりしか得られない
- ユーロ、英ポンド、円に対するドル相場で注目すべき水準とは?



イースター休暇を控える中、市場は世界主要国の製造業活動を示す経済指標(きょう発表の米ISM製造業景気指数を含む)および7日に発表される米雇用統計に注目しており、対主要通貨でのドル相場は小動きにとどまりそうだ。
先週金曜に発表された2月の米個人消費支出(PCE)コア価格指数の伸びは鈍化したが、米連邦準備制度理事会(FRB)が近いうちに利上げサイクルを終了するとの見方を正当化するのに十分とは言えないだろう。一方、ユーロ圏では、3月の消費者物価指数(CPI)が急低下し、縮小幅は1991年の統計開始以来最大となったが、コア指数は伸びが加速しており、欧州中央銀行による追加利上げへの期待は維持されている。イングランド銀行(中央銀行)は追加引き締めの可能性を残しており、日銀に関しては新総裁の就任に伴い、4月末に開催される次回会合が注目されている。
さらに、米国のマクロ経済指標は2月以降、予想を上回る強い内容を示している(エコノミックサプライズ指数は1年ぶりの高水準)。英国のマクロ経済指標もここ数週間、予想外に強い内容が続いているが、ユーロ圏の経済指標は2月から、日本の経済指標は3月以降、予想を上回っていない状況となっている。
ユーロ/ドル 日足チャート
資料:TradingView
ユーロ/ドル - 今のところ上値は限定的
ユーロ/ドルは上値の重い展開となっているように見える。日足チャートでは、2月の高値1.1035に位置する強固なレジスタンスに接近しているため、ここ数日、上昇の勢いが衰えている。直近のサポートは3月24日の安値1.0710である。これを下方ブレイクすると、小型のダブルトップ(3月下旬の高値で形成)が発生し、3月の安値1.0515に向けて下落するリスクが高まる。ごく短期的には、ユーロ/ドルは最近確立された1.05-1.10のレンジ内で推移するように思われる。前回の記事で強調したように、1月の安値1.0480の重要な底値付近から反発した先月の動きに伴い、2022年後半から続く高値圏での高値・下値の切り上げパターン(上昇トレンド)は維持されている。
英ポンド/ドル 日足チャート
資料:TradingView
英ポンド/ドル - 1.2450に高い壁
英ポンド/ドルは先月、1月の安値1.1840の重要なサポートを割り込まなかったため、2022年後半から続く上昇トレンドは維持されていることが示唆されている。とはいえ、3月上旬からの上昇は、昨年12月の高値1.2450という厳しい壁(レジスタンス)にぶつかり、やや勢いを失っているように見える。ただ、3月下旬の安値1.2200付近に強力なサポートがあるため、下値は限定的となりそうだ。前回の記事でも述べたように、1.2450を上方ブレイクした場合、英ポンド/ドルはしっかりとした上昇トレンドを築く可能性が開かれる。
ドル/円 日足チャート
資料:TradingView
ドル/円 - 重要なレジスタンスを試す展開
ドル/円は、89日移動平均線、日足チャートの一目均衡表の雲、3月下旬の高値133.00が収束したかなり強力な天井を試している。今のところ、長期的な見通しは下向きのままだが、この収束バリアを上方ブレイクすれば、当面の下降リスクが軽減され、短期的に127-138の幅広いレンジが形成される可能性が高まる。さらに、収束バリアの上方ブレイクにより、200日移動平均線、3月の高値138.00付近に向けて上昇する可能性が開かれる。
トレードに役立つメール配信サービス
DailyFXからタイムリーで国内外のマーケット情報を受け取ることができます。
--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
ジャラディ氏に連絡するには、Twitterで @JaradiManish までお願いいたします。