※2023年6月7日10時46分更新
ドル、ユーロ/ドル、英ポンド/ドル、テクニカル分析、個人トレーダーのポジション状況 – IGクライアントセンチメント最新情報



ここ数週間、ドルはユーロや英ポンドなど、主要な通貨に対して上昇が続いている。これに対応して個人トレーダーは、ユーロ/ドルと英ポンド/ドルの買い持ち(ロングポジション)を増やしている。個人トレーダーのポジション状況はIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSは、時に張り指標として機能することがある。この点を考慮した場合、ドルの上昇余地はあるのか?
ユーロ/ドルのセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、ユーロ/ドルを取引する個人トレーダーの約65%がネットロング(ユーロを買い持ち)にしている。多くのトレーダーが買い持ちに傾いているため、価格は下落し続ける可能性がある。ロングのポジションは昨日、先週と比較して、6.53%、15.75%それぞれ増加した。現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、弱気の逆張り取引シグナルが強まっていることがうかがえる。
日足チャート
資料:TradingView
ユーロ/ドルの日足チャートは、弱気なテクニカルバイアスが強まっていることを示している。価格は、昨年9月から続く上昇トレンドラインを下抜けしている。一方、20日単純移動平均線(SMA)は50日SMAを下回っており、弱気なチャートパターンであるデッドクロスが示現している。現在、価格は1.0713-1.0787の変曲ゾーンのすぐ下で推移している。主なサポートは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.05である。上昇に転じた場合は、移動平均線が主要なレジスタンスとなり、上値を抑える可能性がある。



英ポンド/ドルのセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、英ポンド/ドルを取引する個人トレーダーの約56%がネットロング(英ポンドを買い持ち)にしている。半数以上のトレーダーが買い持ちであるため、価格は下降し続ける可能性がある。ロングポジションは昨日、先週と比較して、10.33%、13.29%それぞれ増加した。現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)は、弱気の逆張り取引シグナルが強まっていることを示唆している。
日足チャート
資料:TradingView
英ポンド/ドルの日足チャートでは最近、20日SMAが50日SMAを下回り、弱気のデッドクロスが形成された。当面のサポートは1.2308で、価格がこれを割り込むと、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準1.2131が視野に入る。一方、上昇に転じた場合は、今のところ2023年の最高値である1.268が重要なレジスタンスとなる。
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。