米ドル、米ドル/フィリピンペソ、米ドル/タイバーツ、米ドル/インドネシアルピア、米ドル/シンガポールドル– アジア太平洋地域の新興国通貨に関するテクニカル分析
- 新興国通貨に対してドル高が継続している
- フィリピンペソは2005年の最安値まで下落したため、最もリスクが高い可能性がある
- タイバーツとインドネシアルピアも同様にリスクが高い。シンガポールドルは持ちこたえる可能性がある
テクニカル分析入門
テクニカル分析について
推薦者: Daniel Dubrovsky
FX東南アジア通貨1.フィリピンペソ テクニカル分析– 強気
米ドルはフィリピンペソに対して、上昇傾向を続けている。実際に、米ドル/フィリピンペソは6月に2009年以来最高のパフォーマンスとなる、約4.7%の上昇を達成する可能性がある。先週、米ドル/フィリピンペソは2018年の最高値54.43を上回り、2005年11月以来の高値で終えており、勢いが止まる兆しをみせていない。フィボナッチ・エクステンション138.2%である54.929を上抜けすると、2005年の高値である56.61に向かう途中の55.571(161.8%)がみえてくる。下落に転じた場合、20日単純移動平均線が主要なサポートラインとなるだろう。
米ドル/フィリピンペソ 日足チャート

FX東南アジア通貨2.タイバーツ テクニカル分析– 強気
先週、米ドルはタイバーツに対して上昇を続け、6月の上昇率は3.31%となり、2021年9月以来の高水準となった。米ドル/タイバーツはフィボナッチ・エクステンション50%である35.426を上回って取引を終えたことで、61.8%である35.751がみえてきた。その先には、2016年12月高値である36.08が位置している。下落に転じた場合、20日単純移動平均線がサポートラインとなり、上昇トレンドが回復する可能性がある。また、34.759〜34.850のレジスタンスゾーンも新たなサポートゾーンになる可能性もある。
米ドル/タイバーツ 日足チャート

FX東南アジア通貨3.インドネシアルピア テクニカル分析– やや強気
米ドルはインドネシアルピアに対しても上昇を続けており、6月現在、米ドル/インドネシアルピアは1.84%上昇している。これは、2020年9月以降で最高のパフォーマンスだ。しかし、先週はフィボナッチ・エクステンション100% の14870を上抜けできず、上昇トレンドの勢いはやや鈍化している。さらに、RSIではダイバージェンスが発生しており、勢いが弱まっていることを示唆しているが、トレンド転換の予兆となる可能性もある。トレーダーは数日間、値動きが下落した場合は、慎重にトレードをしたほうがよいだろう。上昇をみせた場合、やや強気の見通しであり、2020年9月の高値14915〜14975が主要なレジスタンスゾーンとなる。



米ドル/インドネシアルピア 日足チャート

FX東南アジア通貨4.シンガポールドル テクニカル分析– 中立
米ドルは先週、シンガポールドルに対して堅調に推移しており、大きな動きがみられなかったため、見通しは中立である。ただし、50日単純移動平均線が接近しつつあり、上昇幅がより大きいトレンドが復活する可能性があることには注目したい。主要なレジスタンスは、5月の高値を含む1.3946〜1.3986となるだろう。
米ドル/シンガポールドル 日足チャート

--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロフスキー著
ドゥブロフスキー氏に連絡するには、下のコメント欄を使用するか、Twitterで@ddubrovskyFX までお願いいたします。
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