※2023年7月13日11時08分更新
ドル、ユーロ/ドル、英ポンド/ドル、テクニカル分析、個人トレーダーのポジション状況 – IGCSアップデート



ドルはこのところ、主要通貨に対する軟調ぶりが目立っている。ドル指数は12日、1.08%低下し、1日の下落率としては1月上旬以来最大となった。今週はこれまでのところ1.67%低下しており、昨年11月以来の最大の週間下落率となりそうだ。個人トレーダーはユーロ/ドルと英ポンド/ドルの売り持ちを増やすことで対応しており、これについてはIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSは逆張り指標として機能する傾向がある。この点を考慮すると、ドル指数はさらに低下する可能性があるのだろうか?
ユーロ/ドルのセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、ユーロ/ドルを取引する個人トレーダーの約26%がネットロング(ユーロを買い持ち)にしている。大半のトレーダーがショートに傾いているため、価格がこの先、上昇する可能性を示唆している。ロングポジションを昨日と先週で比較すると、31.21%、50.08%それぞれ減少している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジションの変化)を考慮すると、ユーロ/ドルの逆張り取引バイアスはさらに強気に傾いていると考えられる。
日足チャート
資料:TradingView
日足チャートでは、ユーロ/ドルは年初来高値を終値で更新し、2022年3月以来の高値を付けた。上値追いの展開となれば、フィボナッチ・エクステンション38.2%の水準1.1231が意識されるだろう。さらに上昇すれば、2022年2月以来の高値圏に向かう可能性が開かれる。一方、下降に転じた場合は、6月を始点とする短期上昇トレンドラインを維持できるかが焦点となる。



英ポンド/ドルのセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、英ポンド/ドルを取引する個人トレーダーの約29%がネットロング(英ポンドを買い持ち)にしている。大半のトレーダーがショートに傾いているため、価格が上昇し続ける可能性を示唆している。ショートポジションを昨日と先週で比べると、5.02%、32.14%それぞれ増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジションの変化)を考慮すると、英ポンド/ドルの逆張り取引バイアスはさらに強気に傾いていると考えられる。
日足チャート
資料:TradingView
英ポンドは対ドルで2022年4月以来の高水準で取引を終えた。英ポンド/ドルは1.3の変曲点まで上昇し、これが重要なレジスタンスとなった。この水準を確実に上方ブレイクすると、2022年3月後半の高値圏が視野に入る。下降に転じた場合は、昨年9月から続く上昇トレンドラインを維持できるかが注目されよう。
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。