米ドル、USD/SGD、USD/IDR、USD/THB、USD/PHP – 米ドル 対 東南アジア通貨のテクニカル分析
- 米ドルは、東南アジアの通貨に対して弱含みとなる兆しを見せている
- シンガポールドルは、上げ幅拡大のための絶好のポジションにあるように見える
- インドネシアルピアにはリスクが残り、タイバーツとフィリピンペソは今後の動きを見る必要がある



シンガポールドルのテクニカル見通し - 弱気
米ドルは先週、シンガポールドル(SGD)の買いに押され、0.87%下落した。これは、5月中旬以降で最悪の5日間のパフォーマンスとなった。米ドルはSGDに対し、5月からの短期上昇トレンドラインを下回ってブレイクアウトしたことが確認され、米ドルはさらに下げ幅を拡大する可能性が出てきている。とはいえ50日単純移動平均線(SMA)がサポートとなって、その水準は維持され、再び上昇トレンドに転じる可能性もある。上昇トレンドの再開には、7月の高値水準(1.4096)を上回る必要である。そうならない場合は、さらなるドル安が続き、下値支持線として100日SMAが意識されよう。
米ドル/シンガポールドル 日足チャート

資料:TradingView
インドネシアルピアのテクニカル見通し - 強気
米ドルは先週、インドネシアルピア(IDR)に対して上昇した。しかし、上値は伸び悩んでいる。RSI(相対力指数)はマイナス領域に深く入り込んだままであり、上昇の勢いが弱まっていることを示している。15039のフィボナッチ138.2%エクステンションが目先の上値抵抗線となり、その後は15092のフィボナッチエクステンション150%の水準が視野に入ってきそうである。一方、下降に転じた場合は、20日SMAが依然として下値支持線として機能し、上昇基調が維持されそうである。したがって、米ドル/インドネシアルピアは、当面の間、強気バイアスとなる可能性がある。
米ドル/インドネシアルピア 日足チャート

資料:TradingView
タイバーツのテクニカル見通し - やや強気
先週の米ドル/タイバーツ(THB)相場は小動き。米ドルはタイバーツに対し、2015年の高値36.668を上抜けできず、上値の重い展開となった。一方、RSIはマイナス領域とどまっており、流れ星のローソク足パターンが示現した。これらを考慮すると、上昇の勢いは弱まってきており、下降に転じる可能性が出てきたように思われる。とはいえ、見通しを強気から弱気へ転換するためには、下降を裏付ける多くの動きやチャート面での変化などが必要である。20日SMAと50日SMAは共に右肩上がり(上昇傾向)だ。さらに上昇すると、37.0671のフィボナッチ138.2%エクステンションが抵抗線として意識されるだろう。



米ドル/タイバーツ 日足チャート

資料:TradingView
フィリピンペソのテクニカル見通し - やや強気
先週の米ドル/フィリピンペソ(PHP)相場は小動き。しかし、陰の包み足(抱き線)が示現しており、マイナス領域にとどまるRSIと相まって、下降トレンドへの反転を示す初期のシグナルである可能性がある。とはいえ、完全な形の包み足(抱き線)とは言えない。さらに下降が進むと、見通しがますます弱気となり、20日SMAおよび50日SMAが下値支持線となりそうである。この2つのSMAは依然として上昇傾向にあり、支配的な上昇トレンドが復活する可能性はある。主要な上値抵抗線は、2005年の高値56.61である。
米ドル/フィリピンペソ 日足チャート

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、下のコメント欄を使用するか、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。
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