FXテクニカル分析:ポンドドル(GBPUSD)
【サマリー】
- ポンド相場は対米ドルでの予想変動率が上昇基調にある
- ここまでのテクニカルの攻防を考えるならば下値トライを警戒したい
- 1.18を再度ブレイクする場合は1.17前半の攻防が焦点に
- テクニカルの面ではフィボナッチ・プロジェクションの2つの水準に注目したい



・大きく動く可能性があるポンドドル
ユーロドル(EURUSD)はパリティの水準(1.0)を割り込み、新たな局面へシフトする展開となっている。
同じ欧州通貨のポンドは対米ドル(GBPUSD)で、新たな局面へシフトするかどうか?の分岐点にある。
予想変動率(インプライドボラティリティ)の動向を確認すると、8月中旬以降、1週間(1W)のそれは上昇基調にあり、1ヶ月(1M)のそれは高止まりしている。
これらは、通貨オプション市場の参加者が、ポンドドルの変動幅が拡大し続ける可能性を意識している動きと捉えることができる。
ポンドドルの予想変動率
ブルームバーグのデータより作成 / 日足(6月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 4% | -1% | 1% |
週次 | -20% | 31% | 4% |
・ここまでのテクニカルの攻防を考えるならば下値トライを警戒
ポンドドルが動くとしたら上か?それとも下か?
①1.23レベル手前でダブルトップ形成となったこと
②21日線(MA / 今日現在1.1970レベル)がサポートから再びレジタンスへ転換していること
③これらの過程で短期レジスタンスラインが形成されたこと、そしてー
④現在のMACDのトレンド(デッドクロスの示現とゼロラインの下方ブレイク)
以上4つの動向を総合的に考えるならば、警戒すべきは下値トライの方である。
ポンドドルチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
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・目先は1.18の攻防が焦点に
予想どおりポンドドルが下値トライとなる場合、目先の焦点は今日の東京時間に相場をサポートした1.18レベルの攻防である。この水準は、昨日の高安の半値戻しの水準にあたる。
今日の欧州タイム序盤では、さっそく1.18をトライする動きが見られる。
ポンドドルチャート
TradingView 15分足(今月23日以降)
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・1.18のブレイクならフィボナッチ・プロジェクションの攻防に注目
ポンドドルが1.18レベルをあっさりと下方ブレイクする場合は、下落幅の拡大を警戒したい。
ポンドドルが1.17台の攻防へシフトする場合、注目したいのがフィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準1.1733レベルの攻防である。
直近2日間の相場では、このテクニカルポイントで下落が止められた(日足ローソク足の実体ベース)。三度同じ展開となれば、重要サポートポイントとしての存在感が増すだろう。
逆に61.8%の水準をローソク足の実体ベースで完全に下方ブレイクする展開となれば、次の焦点は昨日の安値1.1717レベルや1.17の維持となろう。
だがテクニカルの面では、フィボナッチ・プロジェクション76.4%の水準1.16レベルの攻防となるかどうか?こちらの方が重要である。
そして、冒頭で述べたとおり予想変動率が上昇傾向にあることを考えるならば、「1.17ブレイク→1.16トライ」の可能性を意識すべき局面にある。
ポンドドルチャート
TradingView 日足(今年5月以降)