FXテクニカル分析:ポンドドル(GBPUSD)
【サマリー】
- ポンドドルは節目の1.20を再び下方ブレイク
- 安全資産とされる通貨でインプライドボラティリティがジワリと上昇
- 経済の先行きリスクを意識したさらなる下落を警戒
- 下落幅が拡大する場合、最大の焦点は1.1760レベルのトライ&ブレイク



・節目の1.20を大陰線で下方ブレイク
ポンドドル(GBPUSD)に新たな動きが出てきた。その動きとは、節目の1.20を大陰線であっけなく下方ブレイクしたことである。
注目すべきは、短期レジスタンスラインと21日線(MA / 今日現在1.2103レベル)で戻りが止められての1.20ブレイクとなったことである。
さらに、8月中旬以降から発生した下落トレンドを辿る過程で、MACDではデッドクロスが示現し、かつゼロラインの水準を再び下方ブレイクする状況にある。
テクニカルの面では、連続してポンドドルの地合いの弱さを示唆する動きが見られるが、ファンダメンタルズの面ではイングランド中央銀行(BoE)の金融引き締めスタンスよりも、高インフレによる経済の先行きリスクがポンドドルの売り要因となっている。
今の状況を総合的に考えるならば、目先のポンドドルは調整の反発を挟みながら、下値をトライし続ける展開を警戒しておきたい。
ポンドドルのチャート
TradingView日足(今年5月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -8% | 7% | -1% |
週次 | -1% | 2% | 1% |
・ジワリ上昇へ転じるインプライドボラティリティ
ポンドドル(GBPUSD)の下落幅が拡大する可能性を示唆するもうひとつの指標が、インプライドボラティリティである。
1週間の動きを確認すると、リスク回避の局面で買われやすい米ドル、日本円そしてスイスフランでいずれもジワリと上昇基調へ転じている。
対G10通貨全体と比較しても、上記3通貨に対するインプライドボラティリティの水準は相対的に高い。
このタイミングで期待先行の株高トレンドが転換する場合、リスク回避の米ドル買い圧力が高まることが予想される。
上で述べたテクニカルとファンダメンタルズの状況も合わせて考えるならば、やはり今のポンドドルは下落幅の拡大を警戒すべき局面にある。
ポンド相場のインプライドボラティリティ
対米ドル、日本円、スイスフランの推移
ブルームバーグのデータより作成 / 日足(7月以降)
インプライドボラティリティは1週間
テクニカル分析入門
市場センチメント
市場のセンチメントを学ぶには?
ポンド相場のインプライドボラティリティ
対G10通貨の各水準
ブルームバーグのデータより作成 /インプライドボラティリティは週間
テクニカル分析入門
テクニカル分析について
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・最大の焦点は1.1760のトライ&ブレイク
上の予測通り、ポンドドル(GBPUSD)の下落幅が拡大する場合、最大の焦点は1.1760レベル(7月14日安値)のトライ&ブレイクである。
この水準は、現時点での今年最安値の水準である。
1.1760レベルを目指すシグナルとして注視すべきポイントが2つある。
まずは、1.19レベルの攻防である。7月以降、この水準で何度か相場が反転した経緯がある。今日の東京時間も1.19上でサポートされる状況が続いている。
ポンドドルがあっさりと1.18台の攻防へシフトする場合は、直近高安のフィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準1.1807レベルのトライ&ブレイクが次の焦点として浮上しよう。
この水準での攻防は、1.18台の維持という点で注目したい。
161.8%はプロジェクションの中でも重要とされる水準である。それゆえに、このポイントの下方ブレイクは1.1760レベルを目指すシグナルとなり得る。
ポンドドルのチャート
TradingView日足(今年7月以降)