FXテクニカル分析:ポンド円(GBPJPY)
【サマリー】
- アセンディング・トライアングルのパターン形成に失敗しつつあるポンド円
- 目先の焦点は161.12-162.00ゾーンの攻防
- ポンドドルよりもドル円との相関性が高いポンド円
- 7月米雇用統計でドル円が下落する場合はポンド円の下落幅も拡大する展開を想定
- 160円以下で注目しておきたい3つのテクニカルポイント



・アセンディング・トライアングルのパターン形成に失敗しつつあるポンド円
ポンド円(GBPJPY)は、160.00前後をサポートに売り買いが交錯する展開となっている。
だが直近は、168.00レベルで3度上値が抑制され、短期サポートラインを下抜けつつある。
このラインのみならず、サポートポイントとして意識されている160.00レベルをも下方ブレイク(赤いゾーンを下方ブレイク)する場合は、アセンディング・トライアングルのパターン形成に失敗したと判断したい。
ポンド円のチャート
TradingView 日足(今年3月以降)
・目先の焦点は161.12-162.00の攻防
上の日足チャートで示した赤いゾーン付近の攻防を15分足でクローズアップすると、161.12-162.00ゾーンで売り買いが交錯していることがわかる。
目先の注目材料は今晩の7月米雇用統計だが、発表後にポンド円がレンジの上限を突破する場合は、フィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。
38.2%の水準は昨日の英金融政策委員会(MPC)を受けた下落局面で、サポートとして意識された経緯がある。
半値戻しの水準162.54レベルはレジスタンスラインとして意識され、下落幅拡大の基点となった。
これらの水準を突破する場合は、61.8%の水準162.87レベルのトライ&ブレイクが焦点として浮上しよう。
ポンド円のチャート
TradingView 15分足(4日欧州タイム以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -9% | 0% | -3% |
週次 | -1% | -6% | -4% |
・レンジの下方ブレイクと160円割れを想定
だが、現在のポンド円は、以下2つの理由から下落リスクを警戒してくべきと考えられる。
ひとつめの理由は、英国経済の先行きリスクである。
英中銀(BoE)は昨日の金融政策委員会(MPC)で0.5ポイントの大幅利上げを決定した。しかし、ポンド円は売りで反応した。
第4四半期から英国経済がリセッション(景気後退)に陥る見通しを英中銀が示したことが材料視された。
もうひとつの理由は、ドル円の動きにある。
ポンド円は今年6月9日に高値168.73を付けた後、上値の水準が切り下がっている。
これ以降のポンド円、ドル円そしてポンドドルの相関関係を確認すると、ポンド円とドル円の相関係数(0.54)が、ポンド円とポンドドルのそれ(0.42)よりも強いことがわかる。
そのドル円は、今年3月から始まった上昇トレンドの転換ムードが見られる。
今晩の7月米雇用統計でドル円の下落幅が拡大する場合は、冒頭で述べたサポートポイントの160.00ブレイクを想定しておきたい。
ポンド円、ドル円、ポンドドルの相関関係
相関係数は対数差分 / 基準日:2022年6月8日 / データ数:41
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 3% | 0% | 1% |
週次 | -7% | 4% | 2% |
・160円以下で注目しておきたいテクニカルポイント
ポンド円が160円割れの展開となる場合、注目しておきたいテクニカルポイントは3つある。
ひとつは200日線(EMA/今日現在159.38レベル)である。
この移動平均線は、今年5月12日と8月2日に相場の下落を止めた経緯がある。長い下ヒゲ付きの日足ローソク足となったことを考えるならば、サポートラインとしての注目度は高い。
ポンド円が200日線を下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・プロジェクション76.4%の水準158.92レベルの攻防に注目したい。
76.4%の水準をも下方ブレイクする展開となれば、来週以降はフィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準155.90レベルのトライ&ブレイクが焦点として浮上しよう。
最後のテクニカルポイントは、今年の5月12日に100日線とともに相場をサポートした経緯がある。
ポンド円のチャート
TradingView 日足(今年3月以降)
テクニカル分析入門
テクニカル分析チャートパターン
FXで勝つためにチャートパターンを学ぼう!