FXテクニカル分析:ユーロドル(EURUSD)
【サマリー】



・7月米CPIとユーロ円
今日の為替レポートでは、7月の米消費者物価指数(CPI)とクロス円の関係について考察した(詳細はこちらから参照)。
その内容を簡単に述べると、7月米CPIがリスク回避相場の要因となる場合は、ユーロ円(EURJPY)の下落要因になる、ということを指摘した。
そう考える理由は2つある。
ひとつは、株安による円買い圧力の高まりである。
そしてもうひとつは、リスク回避の米ドル買いである。
今のユーロ円は、ドル円(USDJPY)の反発にサポートされている。
しかし、リスク回避の円買いと米ドル買い(ユーロドルの下落)が同時に発生する場合は、ユーロ円の下落幅拡大を警戒したい。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -10% | -1% | -3% |
週次 | -7% | -2% | -3% |
・1.0250の突破に失敗し続けるユーロドル
7月米CPI後にユーロ円が下落する場合、ドル円よりもユーロドル(EURUSD)の影響を大きく受ける可能性がある。
強い7月米CPIが確認される場合、インフレリスクと9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での連続大幅利上げが意識されるだろう。
米債市場では利回り、特に2年債利回りに上昇の圧力が高まることが予想される。
そして米金利の上昇が米ドル買いの圧力を高めることでドル円が堅調地合いをする一方、ユーロドルの下落幅が拡大する可能性が高い。
そのユーロドルは現在、1.0250レベルが強固なレジスタンスポイントとして意識されている。その結果、短期レジスタンスラインの攻防となっている。
このタイミングで上述した状況となれば、サポートラインとして意識されている21日MA(今日現在1.0177レベル)を下方ブレイクする展開を想定しておきたい。
実際にユーロドルが21日MAを下抜ける場合は、サポートポイントとして意識される局面が見られる1.01レベルの維持に成功するかどうか?この点が重要な焦点となろう。
1.01レベルをトライするシグナルとして、フィボナッチ・プロジェクション23.6%の水準1.01375レベルの下方ブレイクを確認したい。直近の相場は、このテクニカルポイントが意識されている。
ユーロドルの日足チャート
TradingView 日足(今年6月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -5% | 4% | -2% |
週次 | -4% | -9% | -6% |
・1.0250レベルの突破に成功する場合は
一方、7月米CPIが米ドル売りイベントとなる場合は、1.0250レベルを突破する展開が予想される。
だが、7月以降の動きを確認すると、1.0250-1.03がレジタンスゾーンとなっていることがわかる(下の日足チャートの赤いゾーン)。このゾーンの突破に失敗し続けるならば、ユーロドルの反落リスクを意識する展開が続くだろう。
では、レジタンスゾーンを突破したら、ユーロドルは上昇トレンドを描くのか?
答えはノーである。
現在1.0325レベルには、レジタンスラインとして意識された経緯のある50日EMAが推移している。
また、5月高値と7月安値の半値戻しの水準1.0370レベルがサポートからレジタンスのポイントへ転換する可能性もある。
これらテクニカル指標の突破とサポートポイントへの転換が確認されない限り、ユーロドルの反落リスクを警戒しておきたい。
ユーロドルの日足チャート
TradingView 日足(今年5月以降)
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