FXテクニカル分析:ユーロ円(EURJPY)
【サマリー】
- 強い相関関係を維持するユーロ円とドル円
- 再びパリティの水準をブレイクしたユーロドル 下落幅の拡大を警戒する状況に
- ユーロ円 注目しておきたい3つの下値ポイント
- 反発局面では50日線(EMA)のトライ&ブレイクが焦点に



・ジワリと下落の圧力が高まるユーロ円
米ドル高トレンドが加速している。
ドル円(USDJPY)は137円台へ上昇すると、昨日の分析記事で指摘したレジスタンスポイントを突破する局面が見られた。
一方、ユーロドル(EURUSD)は再びパリティの水準(1.0)を割り込み、0.9926と年初来安値を更新する展開となり、本日東京時間も売り優勢となっている。
これらの動きに挟まれて、ユーロ円(EURJPY)は売り買いが交錯している。
しかし、今月15日以降の値動きを確認すると、138.00手前で3度上値が止められた。
昨日は、ユーロドルの動きに連動し、下値をトライする展開となった。
ユーロ円のチャート
TradingView 1時間足(今月15日以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 5% | 0% | 1% |
週次 | 15% | -8% | -3% |
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 10% | -10% | -3% |
週次 | -7% | 2% | -2% |
今年の3月以降、ドル円とユーロ円の上昇トレンドが鮮明となった。
これ以降の3通貨ペア(ユーロ円、ドル円、ユーロドル)の相関関係を確認すると、ユーロ円とドル円の相関係数は0.68と強い相関関係を維持している(マトリクスチャートの赤いボックス)。
しかし、上で述べたとおりユーロドルは再びのパリティの水準をブレイクし、かつ年初来安値を更新した。そして下落幅が拡大する可能性が高まっている。
この状況を考えるならばユーロ円はドル円の上昇にサポートされても、上昇幅が抑制される展開が予想される。
また、リスク回避(株安)の局面で米金利が低下する場合は、「ドル円の反落→ユーロ円の下落幅拡大」の展開も警戒すべき局面にある。
ユーロ円 / ドル円 / ユーロドルの相関関係
基準日:2022年2月28日 / 相関係数は対数差分 / データ数:125
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 4% | -1% | 0% |
週次 | -13% | 2% | -2% |
・135.00レベルと200日線
ユーロ円が下値トライとなる場合、短期的に3つのチャートポイントの攻防に注目したい。
最初のチャートポイントは、135.00レベルの攻防である。今月16日の下落局面では、この水準がサポートポイントとして意識された(上の1時間足チャートを参照)。
リスク回避の相場(株安と米金利が低下する相場)では、ドル円の反落とユーロドルの下落が同時に発生することが予想される。このケースでは、135.00を難なく下方ブレイクする可能性が高い。
実際、ユーロ円がこの展開となる場合、次に注目したいチャートポイントが200日線(MA / 今日現在134.17レベル)である。この移動平均線は、8月2日の下落局面で相場をサポートした経緯がある。この時、日足ローソク足では長い下ヒゲが示現した。
テクニカル分析入門
サポートとレジスタンス
テクニカル分析の基本 サポートとレジスタンスとは?
・下限としての132.70レベル
最後のチャートポイントは、132.70レベルである。
この水準は、今年の2月にレジスタンスポイントとして意識された。そして5月にサポートポイントへと転換した。
このような転換が見られるチャートポイントは、多くのトレーダーから意識されやすい水準になり得る。
DMIの動きを確認すると、-DIと+DIのかい離が大きく拡大する状況には陥っていない。また、トレンドの強さを示すADXも横ばい推移となっている。
ユーロドルの下落リスクはユーロ円の下落要因でもある。しかしドル円が上昇トレンドを維持する限り、そのリスクの影響もある程度相殺される状況が続こう。
これらの動向を総合的に考えるならば、現時点では132.70レベルを下限と想定しておきたい。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(今年2月以降)
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・138.00レベルと50日線
一方、ユーロ円が反発する局面では、上で述べた138.00レベルのトライ&ブレイクが目先の焦点となろう。直近は3度上値が止められている。
さらにテクニカルの面で考えると、今月の9日以降、レジタンスラインとして意識されている50日線(EMA)が今日現在、137.97レベルで推移している。
”レジタンス化”している138.00レベルに、レジスタンスラインとして相場の上値を抑制している50日線が138.00レベルで推移している現状を考えるならば、138.00前後は強烈なレジスタンスポイントとして意識される可能性がある。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(今年6月以降)