FXテクニカル分析:ユーロ円(EURJPY)
【サマリー】
- ドル円との強い相関関係にあるクロス円は「ユーロ円」
- ドル円と同じくユーロ円も2つの移動平均線の攻防が焦点に
- 上昇局面では21日MAのトライ&ブレイクが焦点に
- 下落の局面では200日MAのトライ&ブレイクが焦点に
- 2つの移動平均線以外のチャートポイントについて



・ドル円とクロス円の相関関係
今日のIGレポートでは、ドル円(USDJPY)について分析した(詳細についてはこちらを参照)。
そのドル円は今年の3月以降、上昇トレンドが鮮明となった。
それ以降のドル円と主要なクロス円のトレンドを確認すると、ドル円と欧州通貨(ユーロ円とポンド円)で相関関係が強まっていることがわかる。
特にドル円とユーロ円の相関係数は0.66と、一番高い(相関マトリクスチャートの赤いボックス)。
円相場の相関マトリクス

データ数:121(2022年3月1日~8月15日) / 相関係数:対数差分で計算
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -13% | 0% | -5% |
週次 | 5% | -4% | -1% |
また、散布図チャートを確認すると、OLSの回帰ラインを中心にデータのバラつきが密集し、両通貨ペアの相関関係の高さが確認できる。
ゆえに今のユーロ円は、ドル円にらみの展開と言えるだろう。
ドル円とユーロ円の散布図チャート

データ数:121(2022年3月1日~8月15日) / 縦軸:米金利, 横軸:ドル円
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -14% | -7% | -9% |
週次 | 13% | 2% | 5% |
・2つの移動平均線の攻防 その1:21日MA
そのユーロ円は現在、ドル円と同じく2つの移動平均線の攻防となっている。
上昇の局面で注目すべきは、ドル円と同じく21日MAの攻防である。この移動平均線は今日現在、137.93レベルで推移している。
今日のIGレポートで指摘したアメリカの個人消費関連指標が総じて予想市場となる場合は、「米金利の上昇→ドル円の上昇」を土台に、ユーロ円は21日MAのトライ&ブレイクの展開を予想する。
ユーロ円が21日MAの突破に成功する場合、次の焦点はフィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準138.86レベルの攻防となろう。
・短期レジスタンスラインの突破に成功しない限り
上で述べたテクニカルポイントを難なく上方ブレイクする場合は、ユーロ円の地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
MACDではゴールデンクロスのトレンドが鮮明となり、ゼロラインを視野に上昇トレンドを描くだろう。
実際にMACDのゼロライン突破が確認される場合は、さらにユーロ円の地合いの強さを市場参加者に印象付けるだろう。
だが、現在のユーロ円のトレンドを象徴しているテクニカル指標は、短期レジスタンスラインである。
このラインは今年の6月以降、強固なレジタンスポイントとして相場の上値を抑制し続けた144.00レベル(144.28)を基点としている。
7月21日の相場では、長い上ヒゲが示現して相場の戻りを見事に止めた経緯がある(この時の高値は142.33レベル)。
これら直近の経緯を考えるならば、21日MAやフィボナッチ・プロジェクションよりも短期レジスタンスラインの方が市場参加者の注目度が高いだろう。
ゆえに、ユーロ円が短期レジスタンスラインの突破に成功しない限り、下落トレンドを意識しておきたい。
ユーロ円のチャート

TradingView日足(今年6月下旬以降)
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・2つの移動平均線の攻防 その2:200日MA
一方、米金利の低下イベントが発生する局面では(今週ならば、さえない米経済指標で予想以下の内容が続く場合)、ドル円の下落を意識したい。
ドル円と強い相関関係にあるユーロ円もつれ安することが予想される。
ユーロ円が下値トライとなる場合、目先の焦点はフィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準134.92レベルである。このテクニカルポイントは、日足ローソク足の実体ベースで7月下旬の下落を止めた経緯がある。
ユーロ円の下落幅が拡大し135円以下(プロジェクション100.0%以下)の攻防へシフトする場合、次の焦点は200日MAのトライ&ブレイクである。この移動平均線は、8月2日の急落時に日足ローソク足の下ヒゲベースで見事に相場をサポートした経緯がある。
2度同じ展開が確認される場合は、ダブルボトム形成の期待が出てくる。
実際にその展開となれば、まずはネックラインの138.00レベルまで相場が反転するかどうか?この点を確認したい。
ユーロ円のチャート

TradingView 日足(今年6月以降)