FXテクニカル分析:ユーロ円(EURJPY)
【サマリー】
- 今の外為市場はユーロ売りを警戒する状況にある
- そしてユーロ円の下落幅が拡大しやすい状況でもある
- ユーロ円の下落幅が拡大する場合は132.66レベルのトライ&ブレイクが焦点に
- 132.66以下で注目しておきたいサポートポイントについて
・ユーロ売りを警戒すべき局面
通貨オプション市場のリスクリバーサル(1ヶ月)を確認すると、リスク回避の局面で買われやすい米ドル、スイスフランそして日本円でユーロプットの状況にある。
なかでも対円で再びユーロプットへ傾く兆しが見られることを考えるならば、ユーロ円の地合いの弱さを通貨オプション市場の参加者が意識していることを示唆している。
ユーロ相場のリスクリバーサル
ブルームバーグのデータより作成 / 日足(今年5月以降)



また今年の3月以降、上昇トレンドにあったドル円(USDJPY)は先週、そのトレンドを象徴するサポートラインを難なく下方ブレイクした。
※ドル円の分析についてこちらのレポートを参照
ドル円のチャート
TradingView 日足(今年2月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -9% | -1% | -4% |
週次 | 11% | 4% | 6% |
そしてユーロドル(EURUSD)は、6月27日の戻り高値1.0615レベルと現時点での今年最安値0.9952レベルの半値戻し1.0283手前で何度も戻りが止められている。
リスクリバーサルのトレンドに加えてこれら主要通貨ペアの動向も考えるならば、ユーロ円(EURJPY)は7月29日のレポートで指摘したとおり、さらに下値をトライすることが予想される。
ユーロドルのチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -6% | -8% | -6% |
週次 | 8% | -15% | -2% |
・132.66レベルのトライ&ブレイク
事実、ユーロ円はサポートポイントの136.70レベルを完全に下方ブレイクした。
MACDではゼロラインの突破に失敗しただけでなく、デッドクロスが示現している。今年に入ってからMACDがこの状況に陥ると、ユーロ円の下落幅が拡大するトレンドパターンが見られる。
次のサポートポイントは、7月29日のレポートで指摘した134.30-50ゾーンまたは200日線(MA / 今日現在133.74レベル)である。
しかし、円高主導でユーロ円とドル円の下落幅が拡大していることを考えるならば、真に注目すべきはネックラインの132.66レベル- この水準トライ&ブレイクである。
この水準(132.66レベル)をも下方ブレイクする場合は、ユーロ円の下落幅がさらに拡大することを想定しておきたい。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(年初来)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -6% | -8% | -8% |
週次 | -11% | 5% | 1% |
・132.66以下のサポートポイント
ユーロ円が132.66レベルを完全に下方ブレイクする場合は、3つのチャートポイントに注目したい。
まずは、今年の3月から始まった上昇トレンドの高安61.8%の水準131.98レベルである。ここの攻防は132円台を維持するための攻防となる。
ユーロ円の下落幅が拡大し132円をあっさりと下方ブレイクする場合、次の焦点は129.00の維持となろう。129.04レベルはフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる。
最後のチャートポイントは、フィボナッチ・プロジェクション261.8%の水準128.49レベルである。
この水準をトライする場合は、「調整の反発→反落→レジスタンスラインの形成」というトレンドを描きながら、トライしていく展開を想定しておきたい。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(昨年11月以降)