FXテクニカル分析:ユーロ円(EURJPY)
【サマリー】



・トレンドラインを下方ブレイクしたドル円
ドル円(USDJPY)は昨日、今年3月から始まった上昇基調を象徴するサポートライン=トレンドラインを大陰線で下方ブレイクした。
重要ラインのブレイクに加えて、本日の東京時間の戻りも限定的であることを考えるならば、ドル円は節目の140円トライではなく、新たなサポートポイントの見極めが焦点として浮上してきた。
※ドル円の詳細な分析についてはこちらのレポートを参照
ドル円のチャート
TradingView 日足(今年3月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -16% | 1% | -3% |
週次 | -8% | 7% | 4% |
・ドル円以上に下落幅が拡大してるユーロ円
今回のドル円の下落は、米ドル安ではなく「円高」が主導していることにある。
事実、今月の円相場のパフォーマンスを確認すると、総じて円高傾向へ振れていることがわかる。特に対ユーロ(EURJPY)では、対主要国通貨(G10通貨)の中で円高が急速に進行している。
円相場 月初来のパフォーマンス
ブルームバーグのデータより作成 / 対G10 通貨 / 基準日:2022年6月30日
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -10% | -1% | -3% |
週次 | -7% | -2% | -3% |
・ユーロ円とドル円に共通しているテクニカル的な要因と焦点
ユーロ円とドル円に共通しているテクニカル的な要因が2つある。
ひとつは、21日線(MA)がサポートからレジスタンスへ転換していることである。
ドル円のチャート(上の日足チャート)を見ると、今年7月上旬にサポートラインとして意識された21日線がレジスタンスラインに転換していることがわかる。
そしてユーロ円のチャート(下の日足チャート)をみると、5月から6月にかけて相場をサポートした経緯のある21日線が、7月下旬以降、レジスタンスラインへ転換している。
もうひとつテクニカル的に共通している要因が、重要ポイントを下方ブレイクしていることである。
冒頭で述べたとおり、ドル円は今年3月から始まった上昇基調を象徴するサポートライン=トレンドラインを大陰線で下方ブレイクした。
一方、ユーロ円はレジスタンスポイントからサポートポイントへの転換が見られた「136.70」レベルを今日の東京時間に下方ブレイクしている。
昨日のトライアングルの下方ブレイクも合わせて考えるならば、ドル円と同じく今のユーロ円の焦点も、サポートポイントの見極めにある。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
テクニカル分析入門
テクニカル分析チャートパターン
FXで勝ちたいならチャートパターンを学ぼう!
・注目のサポートポイント
ユーロ円の下落幅が拡大することを想定する場合、目先注目しておきたいチャートポイントが3つある。
ひとつは、134.30-50のゾーンである。134.52レベルはフィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準にあたる。すぐ下の134.32レベルは今年の3月安値と6月高値の半値戻しの水準にあたる。
いずれも近い水準に位置するテクニカルポイントというだけでなく、後者の水準(134.32レベル)は4月上旬に相場をサポートした経緯もある。ユーロ円の下落幅が拡大する場合、まずはこのサポートゾーンを維持できるかどうか?この点を確認したい。
上のサポートゾーンを難なく下方ブレイクする場合、次の焦点は200日線(MA / 今日現在133.72)のトライ&ブレイクが焦点として浮上しよう。
長期トレンドを示す200日線の下方ブレイクは、ユーロ円の地合いの弱さを市場参加者に印象づけよう。
最後に注目したいサポートポイントは、132.66レベルである。
この水準は今年の2月以降、レジタンスポイントとしてもサポートポイントとしても意識された経緯がある。
サポートポイントとして意識された5月12日の相場では、ユーロ円の急落(大陰線)を見事に止めた。
今回の下落トレンドも止めるならば、円高局面での重要なサポートポイントとして今後意識されるだろう。
【注目のサポートポイント】
- 134.30-50のゾーン:半値戻しの水準とプロジェクション161.8%
- 133.72レベル:今日現在の200日移動平均線(MA)
- 132.66レベル:今年2月以降のネックライン
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(年初来)