S&P 500 - テクニカル分析見通し
- S&P 500は重要なレジスタンスを突破
- このブレイクは、短期上昇トレンドの継続を示唆
- 今後の見通しと注目すべき指標とは?



S&P 500 テクニカル分析見通し - 中立
S&P 500種株価指数は、10日に急伸し、短期上昇トレンドの継続が確認された。指数は2カ月ぶりの高値を付け、高値圏での高値と安値の切り上げパターンは維持された。この動きにより、1カ月にわたる上昇トレンドに変化がないことが再確認された。
今週前半には高値の更新が止まり、短期上昇トレンドが一服する可能性があったが、2年ぶりの急騰がその懸念を打ち消した。昨日の記事で述べたように、米国の代表的な指標であるS&P 500種指数は引き続き上昇チャネル内にとどまっており、高値の切り上げがなくなったとしても、それが必ずしも弱気トレンドに転じる兆候とは言い切れない。指数は、チャネル下端のかなり強いサポート付近から反発し、現在は200時間移動平均線と重なる水準で推移している。
S&P 500 時間足チャート

資料:TradingView
S&P 500種指数は、11月初旬の高値3,912に位置していた重要なレジスタンスを突破し、200日移動平均線(現在4,083)が視野に入ってきた。ただ、この移動平均線の壁は厚く、少なくとも最初の試みでブレイクするのは難しいだろう。なぜなら、今年の自律反発は89日移動平均線と200日移動平均線が収束したレジスタンス付近で終わっているからである(図参照)。今のところ、短期上昇トレンドは続いている。



S&P 500 日足チャート

資料:TradingView
目先はともかく、長期チャートでのモメンタムはまだ上向きになっていない。持続的に反発すれば、より期間の長いチャートでも地合いの弱さの一部を修正できる。そのためには、一連のレジスタンス水準を突破し、高値圏での高値と安値の切り上げパターンを維持する必要がある。この点において、200日移動平均線のブレイクは、中期的な弱気相場が反転する最初のシグナルになる可能性がある。それに続くレジスタンスは8月高値4,325である。
下降局面においては、1カ月におよぶ上昇トレンドを維持するためには、11月上旬の安値3,698に位置する主要なサポートを上回る水準を維持する必要がある。



--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著