S&P 500、NYダウ、個人レーダーのポジショニング、テクニカル分析 – IGCSによる米国株アップデート



27日のニューヨーク株式市場でS&P 500種株価指数は6営業日続落となり、2020年2月以来、最長の続落となった。前回は、新型コロナ感染症拡大に端を発したロックダウン(都市封鎖)が始まる中、世界の市場で売りが加速していた時だった。ダウ工業株30種平均も6営業日続落し、続落の長さとしては5月以来となる。
このような株価下落にもかかわらず、IGクライアントセンチメント(IGCS)は、個人トレーダーが押し目で買う傾向が強まっていることを示している。IGCSは、特にトレンド相場では逆張り指標として機能する傾向があるが、今後、米国株を押し目で買う余地は残されているのだろうか?
S&P 500のセンチメント見通し - 弱気
IGCS指標によると、個人トレーダーの約61.67%がS&P 500種指数をネットロング(買い持ち)している。大半のトレーダーが買い持ちとなっていることから、指数は下落し続ける可能性がある。ロングポジションは、昨日に比べ2.04%、先週に比べ19.12%、それぞれ増加している。そのことを念頭に置きつつ、現在と最近のセンチメントの変化を考慮すると、弱気の逆張り取引バイアスがより強まっていると考えられる。

S&P 500 日足チャート
日足チャートで見ると、S&P 500先物は、3,639- 3,671のサポートゾーンを割り込んではおらず、ヒゲの長い同時線のローソク足パターンを残している。これは、売りと買いの圧力が拮抗し、相場に迷いが生じていることを示している。上昇に転じる可能性はある。しかし、その場合、20日単純移動平均線(SMA)が50日SMAを下回る弱気のデッドクロスがすでに示現しているため、株価の先行きに弱気なバイアスが上値を抑える可能性は否めない。20日SMAがレジスタンスとなり、下降トレンドが維持されるかもしれない。さらなる下落局面では、3,541-3,587の変曲点付近が注目される。この変曲点は2020年9月を起点としている。




資料:Trading View
NYダウのセンチメント見通し - 弱気
IGCS指標によると、個人トレーダーの約71%がダウ工業株30種平均をネットロング(買い持ち)している。大半のトレーダーが買い持ちとなっていることから、指数は下落し続ける可能性がある。ロングポジションは、昨日に比べ1.19%、先週に比べ12.02%、それぞれ増加している。そのことを念頭に置きつつ、現在と最近のセンチメントの変化を考慮すると、弱気の逆張り取引バイアスがより強まっていると考えられる。

NYダウ 日足チャート
日足チャートでは、ダウ平均先物が重要なサポートゾーンである29,552 – 29,869を下抜けしたことが確認されている。このため、下降トレンドは継続する可能性がある。20日SMAが50日SMAを下回っている、弱気のデッドクロス状態が続いているため、指数が上昇に転じた場合は、これらのSMAがレジスタンスとして機能し、下降トレンドが維持される可能性がある。一方、当面のサポートは、フィボナッチ・エクステンション123.6%の水準28,746となりそうだ。




資料:Trading View
* IGクライアントセンチメントチャートとポジショニングデータは2022年9月27日付レポートより引用
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。