S&P 500、ナスダック - テクニカル分析見通し
- S&P 500種指数は、長期移動平均線を割り込むリスクがある
- ナスダック総合指数はさらに下降するリスクがあり、下落は数週間続く可能性がある
- この先、どの程度下降する可能性があるのか、また、注目すべき重要な水準とは?



S&P 500:短期的なテクニカル分析見通し - 弱気
米国の代表的な株価指数は、重要なサポートを試しており、今後数週間のうちにさらに下降するリスクがあり、軟調な地合いに見える。
S&P 500種株価指数は、6月安値3,640とほぼ同水準にある200週移動平均線の重要な収束サポートを試す展開となっている。同指数が最後に4年移動平均線を決定的に下回ったのは、新型コロナ感染症が拡大した2020年と、金融危機が起こった2007-2009年である。これを割り込むと、2020年の高値3,394、次いで2020年9月の安値3,249に向けて指数は下降する可能性がある。
S&P 500日足チャート

資料:TradingView
S&P 500種指数は8月以降、17%下落したにもかかわらず、週足チャートではわずかなポジティブ(強気の)ダイバージェンス(指数は下落しているものの、モメンタムは現状維持または上昇傾向にある)が見られるものの、まだ反転の兆しはない。当面のレジスタンスとなっている先週の高値3,807を突破できない限り、弱気トレンドが続くだろう。中期的な下落圧力を弱めるためには、レジスタンスとなっている200日移動平均線(現在4,185近辺)を上回る必要がある。月足チャートでのモメンタムは今のところ、さらなる弱気トレンドの継続を示唆している。



ナスダック総合指数:短期的なテクニカル分析見通し - 弱気
ナスダック総合指数は、6月安値10,565に位置する、かなり強いサポートを下抜けしそうな展開となっている。8月以降の反発は弱く、下方にブレイクする確率を高めているように思われる。過去の動きを鑑みると、サポートを割り込むと、下降トレンドは1-2カ月続くと示唆している(下図参照)。
ナスダック総合指数 週足チャート

資料:TradingView
1月に2021年10月の安値に位置していた重要なサポートを割り込んだ際、ナスダック総合指数は3月中旬まで弱含みで推移した。同様に、5月に2月から3月にかけての安値を下回ると、下げ基調は6月中旬まで続いた。したがって、6月安値をブレイクした場合、年末まで軟調地合いが継続する可能性がある。
下落率でいえば、1月と3月は12-15%程度の下落となった。このレンジの下限で想定すると、9,275付近がターゲットとなるかもしれない。強力な下値支持線は、新型コロナ感染症拡大前の高値9,838である。中期的な下降トレンドが変化あるいは反転するためには、最低でも200日移動平均線(現在12,725付近)を上抜ける必要がある。今年に入ってから2回、反発を試みたが、いずれもこの平均線手前で押し戻されている。



--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著