S&P 500、ナスダック - テクニカル分析見通し
- S&P 500種指数は、重要なレジスタンスを試している
- ナスダック総合指数は、重要なレジスタンスを試す展開が視野に入ってきた
- 今後の展開、注目すべき重要な水準とは?



S&P 500テクニカル分析見通し - 中立
最悪期を脱したと結論づけるのはまだ早いが、短期目線のチャートの動きからは、米国株は小幅な反発に備える動きとなっていることがうかがえる。
S&P 500種株価指数は、10月初旬の高値3,807および240分足チャートの89期間移動平均線が重なる重要なレジスタンスを試している。これは、今月初めに、サポートとなっていた9月30日の安値3,584を試すも割り込まなかった流れを受けたものだ。過去の動きを参考にすれば、レジスタンスエリアを上抜けると、短期的な反発につながる可能性がある(下図参照)。ここ数カ月間、指数が変曲する水準を試すも割り込まなかったため、その後89期間移動平均線を突破し、短期的な反発につながった。
S&P 500 4時間足チャート

資料:TradingView
最近の株式は、米国の決算発表シーズンが好調な滑り出しを見せたこと、売られ過ぎの状況、依然として強い悲観論、極めて薄商いであることに支えられている。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派姿勢を軟化させる兆しを見せれば、少なくとも当面の株価反発を支える確かなプラス要因になり得るだろう。
3,807の上値抵抗線を突破すれば、3,915(8月から10月にかけての下落から形成されたリトレースメント50%の水準)、そして9月中旬の高値4,119に向かって上昇する可能性がある。S&P500種指数は、8月高値の4,325が強いレジスタンスとなっており、中期的な下落圧力を弱めるには、このレジスタンスを突破する必要があるだろう。



ナスダック総合指数 テクニカル分析見通し - 中立
ナスダック総合指数は、当面のレジスタンスとして機能していた89時間移動平均線を上回り、レジスタンスとなっている200時間移動平均線を試している。その後には10月初旬の高値11,320の重要なレジスタンスが控えている。直近の動きでは、200時間移動平均線、指数の変曲水準、89時間移動平均線などが集まったレジスタンスエリアを上抜けると、短期的な反発が見られている。
ナスダック総合指数 1時間足チャート

資料:TradingView
確かに、日中足チャートの動きは、数日間は有効であろう。持続的で意味のある反発にするためには、短期チャートでのレジスタンスのブレイクに続き、より長期のチャートでもブレイクが必要となる。この点において、8月の高値13,181は重要な抵抗線であり、ナスダック総合指数が中期的な下降トレンドを転換するためには、この抵抗線を突破する必要がある。下降局面では、10月中旬の安値10,088がかなり強い下値支持線となる。



--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著