NZドル、NZドル/米ドル、米CPI、テクニカル分析、個人トレーダーのポジショニング – 今週のセンチメント見通し
- ニュージーランドドルは急落し、2020年3月以来の大幅安を記録
- 米CPIの予想を上回る結果は、FRBがタカ派的な姿勢を強めることにつながる可能性がある
- 個人トレーダーがNZドル/米ドルの買い持ちを増やし、弱気シグナルが点灯



13日のニューヨーク外国為替市場でニュージーランドドルは米ドルに対し、前日比2.22%安と急落し、2020年3月以来の大幅安を記録した。ニュージーランドドルはここ数日間、慎重ながらも上昇してきたが、このような劇的な反転を引き起こした要因は何だろうか? それは、同日午前に発表された8月の米消費者物価指数(CPI)である。総合CPIの伸び率は前年同月比8.3%と、予想の同8.1%を上回り、7月(同8.5%)からの伸び率鈍化は市場予想よりも小さかった。
米連邦準備制度理事会(FRB)にとってより心配なのは、物価変動の基調を見るためにより重視されるコア指数が前年同月比6.3%上昇と、予想外に強かったことである。前月は同5.9%上昇、エコノミストの予測は同6.1%上昇だった。総合指数とコア指数の間に乖離があるのは、ここ数カ月のエネルギー価格の下落によって説明できるだろう。一方、家賃が高騰する中、住宅価格も上昇した。
これらの事象はすべて、FRBがより積極的な金融政策を講じる可能性を示唆している。CMEグループのフェドウォッチツールによると、今月中に75ベーシスポイント(bp)の利上げが実施される確率は約66%となっている一方で、100bpの利上げの確率は33%近くに跳ね上がった。このため、FRBは先進国の中央銀行の中で最も積極的にタカ派政策を進めることになり、米ドル高の進行に伴い、ニュージーランドドルには下落圧迫がかかりそうだ。
ニュージーランドドル センチメント見通し - 弱気
ニュージーランドドル/米ドルを取引する個人トレーダーは、どのように反応しているのだろうか? IGクライアントセンチメント(IGCS)によると、彼らはネットロングのポジションを増やし、ネットショートのポジションを大幅に縮小している。IGCSは時に逆張り指標として機能する。このポジションの傾向が続くなら、ニュージーランドドルは米ドルに対し、さらに下げ幅を拡大するかもしれない。
IGCSによると、ニュージーランドドル/米ドルを取引する個人トレーダーの約75%がネットロング(ニュージーランドドルを買い持ち)している。ほとんどのトレーダーが買い持ちに傾いているということは、価格の下落が続く可能性を示唆している。これは、ネットショートのポジションが昨日と先週に比べ、それぞれ20.77%と25.36%減少していることからも分かる。そのことを念頭に、IGCSが示す持ち高の変化を鑑みると、弱気の逆張り取引バイアスが強まっていることがうかがえる。




ニュージーランドドル/米ドル 日足チャート
13日のニューヨーク外国為替市場でニュージーランドドルは米ドルに対し、2020年5月以来の安値で取引を終え、一時は9月7日に付けた安値0.5997まで下落する場面もあった。これは、支配的な下降トレンドが続く可能性を示唆している。また、重要なレジスタンスと思われる20日単純移動平均線近辺で下落に転じている点に注目したい。8月には、100日線近辺で下降に転じた経緯がある。目先のサポートは、フィボナッチ・エクステンション100%の水準0.5953のように見える。さらなる下降局面では、同123.6%の水準0.5832が意識されるだろう。

資料:Trading View
* IGクライアントセンチメントチャートとポジショニングデータは2022年9月13日付レポートより引用
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。
トレードに役立つメール配信サービス
DailyFXからタイムリーで国内外のマーケット情報を受け取ることができます。