※2023年3月1日11時12分更新
天然ガス、首吊り線、RSIダイバージェンス、上昇ウェッジ - テクニカル面のアップデート
- 天然ガス価格は最近、上昇しているが、トレンドは転換しているのか?
- 価格が上昇する中、日足チャートでは、まだ買い進めることに対する投資家の迷いが見える
- 4時間足チャートは、上昇の勢いが弱まっていることを示唆、上昇ウェッジに注目
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日足チャート – 首吊り線に注目
天然ガス相場は、2週間で7.81%の上昇になりそうな勢いである。それが確認されれば、昨年10月末以来最大の上昇率となる。最近の値動きにより、相場が底入れしたというシグナルは増えているのだろうか。
より長期な時間軸をベースに取引するトレーダーは、より大局的に見たトレンドは引き続き、弱気であると見ているだろう。結局のところ、昨年8月から続く長期の下降トレンドライン(下図に示す日足チャートの赤線)が下降トレンドの維持につながっている。このラインに到達するには、かなりの上昇が必要になる。ただ、目先の方向性は、必ずしも同様に弱気というわけではなさそうだ。
価格は、20日単純移動平均線(SMA)の上方ブレイクが確認されている。これは、当面の見通しをますます強気に移行させている。それでも、28日は首吊り線(ハンギングマン)のローソク足パターンが示現した。首吊り線は、投資家の迷いを示している。この後、下降が進むと、価格は再び下落する準備が整ったというサインになる可能性がある。
資料:TradingView
4時間足チャート - 上昇ウェッジ内で推移、上昇モメンタムは鈍化
4時間足チャートで見ると、天然ガス相場は、1月下旬以来の高値で終値を付けたことが確認できる。また、今月初めに形成されたレクタングルの上辺(旧天井)が位置する2.657も上抜けた。当面のレジスタンスは、フィボナッチ・リトレースメントのミッドポイントである2.782となる。この水準の上方ブレイクが確認できれば、さらに上昇する可能性が開かれる。
とはいえ、弱気なチャートパターンである上昇ウェッジは形成され続けている。価格は上昇ウェッジ内にとどまっているため、当面のバイアスは上向きのままかもしれない。しかし、RSI(相対力指数)では弱気のダイバージェンスが発生しており、上昇の勢いが弱まっていることが分かる。弱気のダイバージェンスは時に、価格下落に先行して発生することがある。ウェッジの下限ラインを下抜けした場合、天然ガス価格の下落トレンドが再開される可能性がある。
資料:TradingView



--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。