6月のFXの季節性アノマリーに関する概要:
- 6月は総じて、米ドルが小幅に下落する
- コモディティ通貨は総じて6月に好調に推移しており、豪ドル・カナダドル・ニュージーランドドルは5年平均と10年平均でプラスとなっている
- 米国株にとって6月は良い月だが、金価格に対しては複雑な月だ



月の初めには、過去数年にわたりFXに影響を与えてきた季節性によるアノマリーを見直す必要があります。6月については、過去5年と10年のトレードパフォーマンスに焦点を当てるべきでしょう。どちらも、2008〜2009年の世界金融危機以来、中央銀行が積極的に介入した時代と、その後の金融引き締めが反映されています。この状況は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが回復しつつある現状と似ていると言えます。
過去3ヶ月間の場合と同様に、異例の状況が続いている際には価格動向の指標として季節性を用いることは避けたほうがよいでしょう。ロシアのウクライナ侵攻が続く中、世界のコモディティマーケットは混乱している状況です。さらに、中国はゼロコロナ政策を推し進めており、世界のサプライチェーンは依然として滞っています。季節性によるトレンドは信頼性や実用性の面で、あまり重要視できないと言えます。
2022年6月 FXの季節性アノマリーに関する要約




ユーロ FXの季節性アノマリー(ユーロ/米ドル)

6月は季節性の観点から、ユーロ/米ドルに関しては強気の月です。過去5年間の平均上昇率は+0.31%となり、6番目に悪い月です。過去10年間では平均+0.57%の上昇率を記録しており、年間で3番目に良い月です。
英ポンド FXの季節性アノマリー(ポンド/米ドル)

6月は季節性の観点から、英ポンド/米ドルに関しては弱気の月です。過去5年間の平均パフォーマンスは5番目に悪い月となり、-0.26%を記録しています。過去10年間では5番目に悪い月となり、-0.25%を記録しています。
日本円 FXの季節性アノマリー(米ドル/円)

6月は季節性の観点から、米ドル/円に関しては複雑な月です。過去5年間の平均パフォーマンスは2番目に良い月であり、+0.86%を記録しています。ただし、過去10年間では4番目に悪い月となり、-0.37%を記録しています。
豪ドル FXの季節性アノマリー(豪ドル/米ドル)

6月は季節性の観点から、豪ドル/米ドルに関しては強気の月です。過去5年間の平均パフォーマンスは5番目に良い月であり、+0.60%を記録しています。過去10年間では+0.88%を記録しており、年間で最も良い月です。



ニュージーランドドル FXの季節性アノマリー(ニュージーランドドル/米ドル)

6月は季節性の観点から、ニュージーランドドル/米ドルに関しては強気の月です。過去5年間の平均パフォーマンスは6番目に良い月であり、+0.62%を記録しています。過去10年間では2番目に良い月となり、+1.05%を記録しています。
カナダドル FXの季節性アノマリー(米ドル/カナダドル)

6月は季節性の観点から、米ドル/カナダドルに関しては弱気の月です。過去5年間の平均パフォーマンスは4番目に悪い月となり、-0.89%を記録しています。過去10年間では2番目に悪い月となり、-0.72%を記録しています。
スイスフラン FXの季節性アノマリー(米ドル/スイスフラン)

6月は季節性の観点から、米ドル/スイスフランに関しては弱気の月です。過去5年間の平均パフォーマンスは6番目に良い月となり、-0.31%を記録しています。過去10年間では3番目に悪い月となり、-0.82%を記録しています。
米国 S&P 500 の季節性アノマリー

6月は季節性の観点から、米国のS&P500に関しては強気の月です。過去5年間の平均パフォーマンスは5番目に良い月となり、+2.38%を記録しています。過去10年間では4番目に良い月となり、+1.43%を記録しています。
金価格の季節性アノマリー(金スポット/米ドル)

6月は季節性の観点から、金価格(金スポット/米ドル)に関しては複雑な月です。過去5年間の平均パフォーマンスは5番目に悪い月となり、-0.39%を記録しています。しかし、過去10年間では6番目に良い月となり、+0.28%を記録しています。
--- DailyFx.com CFA(協会認定証券アナリスト) シニアストラテジスト クリストファー・ヴェッキオ