ドル、円、ドル/円 - テクニカル分析見通し
- ドル/円は、重要なサポートに接近
- ドル/円の下落は勢いを失っているように見える
- 今後の見通しと注目すべき重要な手掛かりとは?



ドル/円の短期テクニカル分析見通し - 中立
円が対ドルで下げ渋った18日の動きは、昨年末から優勢となっているムードを反映していたように見える。
ドル/円相場は、18日に日銀が大規模な金融緩和策の現状維持を決めたことを受け、2%超上昇した。しかし、その後発表された昨年12月の米小売売上高が予想外に下振れ、米国経済が減速しているとの見方が強まったため、ドルの上昇は息切れとなった。
ドル/円 週足チャート
資料:TradingView
重要なのは、日中の上昇のあや押しが、最近のドル/円の下落モメンタムがいかに強いかを示していることである。週足チャートが示すように、MACD(通称マックディー、移動平均収束拡散手法)線は少なくとも2018年以降で最も低い水準で推移しており、下落圧力が強まっていることを示している。
ドル/円 240分足チャート
資料:TradingView
とはいえ、前回の記事で述べたように、数週間にわたり続いたドルの下落は勢いを失いつつある。別の言い方をすれば、18日の急上昇は、ドル/円が2022年5月の安値126.30と重なる89週移動平均線という強いサポートに接近するにつれて起こったと見られ、トレンドがすぐに(上向きに)転換する可能性があるというサインである。これまでのところ、ドル/円は、240分足チャートの89期間移動平均線(上図参照)を始めとする重要なレジスタンスを一つも突破していない。ここ数週間の上昇は、この移動平均線付近で失速しているのである。
ドル/円 日足チャート
資料:TradingView
240分足チャートで、昨年11月を始点とする下降チャネルの上限ライン付近に位置する89期間移動平均線を上抜ければ、3カ月にわたる下落圧力が弱まっていると示すことになる。 すでに先週指摘したように、日足チャートで新安値を付けるタイミングは、モメンタムの新安値更新のタイミングと一致しておらず、下落の勢いが弱まっていることを示唆している。



--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著