円、ドル/円、IGクライアントセンチメント - テクニカル分析見通し
- 円はドルの上昇を抑制しそうな兆しを見せている
- ドル/円は、4時間足チャートで見ると、まだほぼ間違いなく上昇トレンドにある
- 個人トレーダーはショートの持ち高を増やし続けており、これは強気のシグナルと思われる



ドル/円相場 テクニカル分析 - 日足チャート
乱高下となった7月を経て、ドルは円に対して徐々に足場を取り戻してきている。先週のドル/円 は2.58%高と、6月初旬以来、最大の上昇率となった。現在、137.65付近に上値抵抗線が確立しつつあるようだ。これは、必ずしも反転が迫っていることを意味するのではなく、実はトレーダーが注意深く見守りたいポイントである。
今週初めには、陰の包み足(抱き線)のローソク足パターンも示現したが、下落方向の確証には至っていない。当面のサポートは、フィボナッチ・エクステンション38.2%の水準135.37となりそうだ。この水準を割り込むと、さらに下げ幅を拡大する可能性がある。その場合、次のサポートとして100日単純移動平均線(SMA)に焦点が当てられるだろう。
100日SMAは、2021年初頭からの支配的な上昇トレンドを復活させた経緯があり、重要なサポートとして維持される可能性がある。さらに上昇すると、139.39には7月高値があり、ドル/円が上昇トレンドを再開するきっかけとなるかもしれない。その場合、エクステンション78.6%の水準140.63と、同100%の水準143.42が意識されるだろう。




資料:TradingView
4時間足チャート
4時間足チャートを見ると、レジスタンスがどのように形成されているかがよく理解できる。7月の動きからフィボナッチ・リトレースメントを見ると、78.6%の水準137.46を上抜けできなかったことが分かる。それでも、50日SMAはまだドル/円を下回っている。これは、8月以降の上昇トレンドが継続していることを示している。もし50日SMAが価格を上抜ければ、円はドルに対して短期的に反発する可能性がある。その場合、中間点の134.89、38.2%の水準133.83、23.6%の水準132.52に注視する必要がある。さらにドルが下落した場合は、8月の安値130.40が焦点となろう。

資料:TradingView
ドル/円 センチメント見通し - 強気
IGクライアントセンチメントゲージ(IGCS)によると、ドル/円を取引するトレーダーの約26.13%がネットロング(ドルを買い持ち)している。IGCSは逆張り指標として機能する傾向がある。大半のトレーダーはショートで保有しており、これは、価格が上昇し続けると示唆しているように思われる。ショートのポジションは昨日と先週に比べ、それぞれ7.34%、15.30%増加している。このことと、現在のセンチメント、最近のセンチメントの変化を踏まえると、強気の逆張りバイアスが強まっていることがうかがえる。

*IGクライアントセンチメントチャートおよびポジショニングデータは、8月24日発行のレポートより引用
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。