※2023年8月24日10時58分更新
円、ドル/円、ダブルトップ - テクニカル分析によるアップデート



円相場は、ドルに対して反転する準備が整いつつあることを示しているかもしれない。23日のニューヨーク外国為替市場で、ドル/円は6月下旬に確立された145.07の変曲点を割り込んだ。この値動きとなる前には、RSI(相対力指数)で弱気のダイバージェンスが示現しており、上昇の勢いが弱まったことが示唆されていた。
上昇局面で弱気のダイバージェンスが発生すると、価格は時に下降に転じることがある。現在、ドル/円は直近の下落により、20日移動平均線が当面のサポートとして意識されている。この移動線は短期的に下値を支え、価格は再び上向きに戻るかもしれない。一方、下方ブレイクが確認されると、下げ幅を拡大する可能性が高まる。それでも、3月からの上昇トレンドラインが上値を抑えており、より広範な見通しを強気に維持していることには留意しておきたい。
資料:TradingView
4時間足チャートを見ると、ダブルトップのローソク足パターンが形成されているように見える。RSI(相対力指数)で弱気のダイバージェンスが発生し、その後価格は145.07付近のネックラインを下回って取引を終えた。記事掲載時点では下方ブレイクはまだ確定されていない(ブレイクアウトの確定は終値で2回下回ることが条件)が、このチャートでは100期間移動平均線が当面のサポートとして機能しそうである。
この100期間移動平均線を割り込むと、ダブルトップのチャートパターンが示唆する下げ幅拡大の可能性が開かれる。下降局面ではフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準142.99を維持できるかが焦点となり、その後は現時点での8月の安値141.50に意識が向くだろう。一方、146.56を上回る水準で引けた場合は、フィボナッチ・エクステンション61.8%の水準148.27に向けて上昇する可能性が出てくる(上図参照)。
資料:TradingView



--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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