円、米ドル/円、豪ドル/円、テクニカル分析、個人トレーダーのポジション状況 – 週間センチメントレポート



円相場は、最後は1990年代に見られた水準まで下落するほどの売りの猛攻撃を、ほとんど休みなく受けている。円の下落を食い止めようとする政府・日銀の介入があったにもかかわらず、である。ファンダメンタルズ的に言えば、世界中の中央銀行がタカ派姿勢を示しているのとは対照的に、日銀はハト派的な政策を堅持していることが大きな要因である。
このような円安にもかかわらず、個人トレーダーは何度も何度も円を買い続けている。これはIGクライアントセンチメント(IGCS)を見ればわかる。IGCSは逆張り指標として機能する傾向がある。そのことを考慮すると、個人トレーダーが円のポジションを増やし続ければ、それは円のさらなる下落を意味するのではないだろうか。
米ドル/円:センチメント見通し - 混合
IGクライアントセンチメント(IGCS)によると、ネットロング(ドルを買い持ち)にしている米ドル/円トレーダーは約 19%に過ぎない。これは、ロングのトレーダー1人に対して、4人以上がショートにしていることを意味する。ほとんどのトレーダーがネットショートであることから、米ドル/円は上昇し続ける可能性があることを示唆している。しかし、ロングポジションは昨日より 12.45% 増加し、先週より6.2% 減少している。全体として、最近のポジション状況の変化から、見通しはまちまちと言える。

日足チャート
日足チャートでは、米ドル/円は1998年の高値を上抜け、前回は1990年代前半に見られた水準まで上昇している。この上昇トレンドにより、価格はフィボナッチ・エクステンション61.8%の水準149.93に到達している。この水準を確実に上抜けた場合、上昇トレンドは続き、78.6%の水準152.54が視野に入ってくる可能性がある。下落に転じた場合でも、恐らく20日単純移動平均線(SMA)がサポートとなり、再び上昇に転じそうである。




資料:Trading View
豪ドル/円 :センチメント見通し - 強気
IGクライアントセンチメント(IGCS)によると、豪ドル/円トレーダーの約39%がネットロング(豪ドルを買い持ち)にしている。ほとんどのトレーダーがネットショートであることから、豪ドル/円は上昇し続ける可能性があることを示唆している。これは、ショートポジションが昨日と先週に比べ、それぞれ7.21%と10.95%増加したことからもわかる。現在のセンチメントと最近のポジション状況の変化を鑑みると、豪ドル/円は強気の逆張り取引バイアスがさらに強まっている。

日足チャート
豪ドル/円は、9月を始点とする短期の下降トレンドラインを上抜け、9月の高値まで上昇する可能性が出てきた。重要なレジスタンスは、50日SMAとフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準94.342のままである。この2つのレジスタンスの上抜けが確認されれば、上昇トレンドが再開される可能性が高い。下落局面では、90.526-91.425のレンジが重要なサポートとなる。




資料:Trading View
* IGクライアントセンチメントチャートとポジショニングデータは2022年10月19日付レポートより引用
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。