日本株、日経平均株価、日経VI、予想変動率、ボラティリティ―トーキングポイント
- 日本株の予想変動率(ボラティリティ)と日本株の値動きは深い関係
- 6月末にかけて、日本株下落に対する警戒感から予想変動率は上昇
- 投資家の懸念が解消する中、今後予想変動率が低下、日本株上昇の可能性



6月中旬以降、日本株に対する警戒感が高まっていた
7月に入り、日経平均株価(先物)は6月高値(33,950円)をトライした後再度反落、20日指数移動平均線に近づきつつある。サポートされるかは、年初来の日本株の上昇基調が維持されるかを見極める上で重要である一方、日本株の再上昇に向けた下地が整いつつある。6月中旬以降、日本株は急ピッチな上昇に対する警戒感や、年金基金等の機関投資家による日本株のリバランス売りに対する懸念が高まっていた(日本株が大きく上昇し投資家のポートフォリオにおける日本株の比率が上昇していた。リバランスとは、6月末の期末に向け、日本株の比率を元の水準に減らす動きのこと)。
日経平均株価(先物)日足チャート

資料:Trading View
急変動に対する警戒感が後退すると日本株は上昇する傾向
このため、日本株の下落、日経平均株価の急変動を予想する投資家が増えていた。これは、日経ボラティリティインデックス(VI)から分かる。日経ボラティリティインデックスは、日経平均株価オプションから算出される投資家の予想変動率(ボラティリティ)である。日本株は上昇時に比べ、下落時の方が急激に動く傾向がある。日本株急落に対する警戒感が高まると、日本株の予想変動率は上昇する傾向がある。逆に日本株急落に対する警戒感が後退すると、予想変動率は低下、投資家の日本株に対する見方が好転することから日経平均株価は上昇する傾向がある(下図参照)。
7月に入り、予想変動率が低下、日本株が上昇!?
6月末の期末に向けて、日本株下落に対する警戒感から予想変動率は上昇、日経平均株価は調整していた。7月に入り、6月末の機関投資家による日本株のリバランス売りに対する警戒感や急ピッチな上昇に対する過熱感が後退する中、日本株の予想変動率が今後低下する可能性がある。このことは、投資家の日本株に対する悲観的な見方が後退、日経平均株価が上昇する可能性がある。
日経平均株価と日経ボラティリティインデックス

資料:Trading View。白矢印は過去のボラティリティ低下時に日経株価が上昇した局面。



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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著