日本株、日経平均株価、個人投資家―トーキングポイント
- 日本株の売買は引き続き活況
- 個人投資は日本株に対する見通しを強気に転換させつつある
- このような中、日経平均株価のテクニカル面の動きは?上昇トレンドの行方は?



日本株に対する意欲は引き続き高い
日本株の日柄調整が続いているものの、東証プライムの売買代金は継続して増加、活況を呈しており、日本株に対する注目・意欲が高いことを示唆している。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
個人投資家は日本株に強気になりつつある兆候
このような中、一部の個人投資家は次の上昇に備えて、行動を変化させている可能性がある。日経ダブルインバースETFの受益権口数が小幅ではあるが減少に転じている。
同ETFは日経平均が1%下落(上昇)すると、基準価額が2%上昇(下落)する。日経平均株価の下落を見込む個人投資家が多いと受益権口数が増加する傾向がある。
年初来の日経平均株価の上昇に合わせ、日経平均株価の反落を見込み同ETFの受益権口数は増加していた。受益権口数が減少に転じていることは、足元の日経平均株価の調整に伴う利益確定及び日経平均株価に対する見通しを弱気から中立、強気に転換している個人投資家が増えつつあることを示唆している。一段と個人投資家が強気に見通しを転換することは、日経平均株価の上昇要因になる。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
日経平均株価のテクニカル分析―移動平均線を巡る攻防
4月以降の急上昇を受け、一部利益確定の動きが足元の調整に繋がっているが、日経平均株価は、20日指数移動平均線を巡る攻防が続いている。
最近の調整を受け、日本株の過熱感は解消している。20日移動平均線からの戒律率は約-0.2%まで低下している。RSIも55まで低下している。日経平均株価が終値ベースで20日指数移動平均線を上回り、9日指数移動平均線を上方ブレイクすると、日柄調整が終了、上昇トレンドの再開が明確になる。その場合、日本株に対する投資意欲は依然として強く、個人投資家も見通しを強気に変化させつつある中、日経平均株価は、2008年から2021年にかけての値動きに基づいたフィボナッチエクステンション38.2%水準である33,743円を再度トライしよう。
一方、日経平均株価が20日指数移動平均線を終値ベースで下方ブレイクした場合、4月からの日経平均株価の急上昇相場がひとまず終了した可能性が高まる。50日指数移動平均線(現在31,104円)をトライするシグナルになろう。
日経平均株価先物日足チャート

資料:Trading View



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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著