※2023年8月8日10時58分更新
金、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるアップデート
- 金価格はここ数週間、上値が重い
- 個人トレーダーは強気姿勢を強めている
- そのため、逆張り取引バイアスは引き続き弱気となっている



金先物相場はここ数週間、じり安の展開が続いている。個人トレーダーは徐々に買い持ちを増やすことでこれに対応している。トレーダーのポジション状況はIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSはしばしば逆張り指標として機能する。このことを考慮し、個人トレーダーが引き続き強気姿勢を強めれば、金相場を下押すことになるのか?
金相場のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、金を取引する個人トレーダーの約76%がネットロング(金を買い持ち)にしている。大半のトレーダーが買い持ちに傾いていることから、この先も価格は下落し続ける可能性がある。ネットロングのポジションを昨日と先週で比較しても、8.75%、27.83%それぞれ増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、金の逆張り取引バイアスはさらに強気に傾いていると考えられる。
金/ドル 日足チャート
日足チャートでは、7月下旬に20日移動平均線が50日移動平均線を上回り、強気のチャートパターンであるゴールデンクロスが形成された。しかし、それ以降、上値が伸びず、ゴールデンクロスが無効になるリスクにさらされている。ここからは、2月からの上昇トレンドラインと1,936の変曲点が当面のサポートとなりそうだ。
このサポートを割り込めば、IGCSが示しているシグナルを補強するように弱気のテクニカルバイアスはさらに強まるだろう。ただ、トレンドラインが下値を保持できれば、より広範な強気バイアスは維持される。さらに下げ幅を拡大すれば、6月の安値圏とも近いフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1,903が意識される。この水準の下方ブレイクが確認されると、3月の安値を再び試す展開となる可能性がある。
一方、ここから上昇に転じた場合は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準1,971.63を突破できるかが焦点となる。上抜ければ、テクニカル面では強気な見方が強まり、今年初めの高値圏を再び試す可能性が開かれる。
資料:TradingView



--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。