※2023年6月16日17時05分更新
金、金/ドル、ドル、GC1、モメンタム、強気派vs弱気派 - トーキングポイント
- 15日のニューヨーク金相場は3カ月ぶりの安値を付けた
- このまま上昇すれば、魅力的なテクニカル環境が形成される可能性がある
- 今後、注目すべき重要な水準がありそうだ。金/ドルの見通しとは?



金先物相場は下値を試していたが、今週の米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)による金融政策決定を背景にドルが一転、下落したことを受け、上昇に転じた。
GC1(期近物の金先物取引)のテクニカル分析
金相場は最近、上昇トレンドラインを割り込み、その後は1,936-1,945エリアに位置するサポート水準を試していた。この値動きは、答えよりも多くの質問を投げかけているように見受けられる。
相場が15日に安値1,936を付けたことで、過去の安値と一致する水準にダブルボトムが示現する可能性がある。ネックライン2,000を上回れば、このダブルボトムの形成は確定されるだろう。
下値模索の動きにより、価格は一時、100日単純移動平均線(SMA)を下回ったが、再びこのSMAを上回って取引を終えた。
この値動きは、市場が最近の弱気相場を一旦、拒み、1,936-1,945ゾーンが引き続きサポートとして機能していることを示唆している可能性がある。
このゾーンを決定的に下方ブレイクすると、弱気相場が再び展開されそうだ。その場合、1,811と1,813のダブルボトムが次の注目すべきサポートゾーンになり得る。
価格は100日、200日、260日SMAを上回る水準にあるが、他のすべての短期SMAは引き続き下回っている。もし金相場が現在2,000に位置する55日SMAを上回れば、全ての期間の日足SMAを上回ることになり、強気のモメンタムが展開していることを示唆するだろう。
このことは、強気のモメンタムを再燃させるためには、金相場は2,000を超えることが重要だと示している。
2,000を上方ブレイクすると、重要なレジスタンスゾーンに向かって上昇し、その後は史上最高値が視野に入ってくる。
5月上旬の高値2,085は、2022年3月の高値2,079を上回ったが、史上最高値2,089を超えることはできなかった。このように上値の切り上げが頓挫したため、ダブルトップの延長としてトリプルトップが形成された。
このため、2,080-2,090エリアがレジスタンスゾーンとなる可能性があるが、これらの水準を上回れば、さらに強気な展開になり得る。次のレジスタンス候補は、現在2,190付近に位置する上昇トレンドチャネルのレジスタンスラインと思われる。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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