金、Gold、FRB、FOMC、米ドル、USD、DXY―トーキングポイント



金価格にとって重要なFOMC(米国金融政策決定会合)が開催。金融市場では、今回会合は利上げをスキップし、7月以降の会合で利上げ、その後年末にかけて緩やかに利下げを実施していくことが織り込まれている。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
米ドル高?米ドル安?
FRBが金融市場の織り込み通りに、7月以降のFOMCで1回程度の利上げを実施後、当面の利上げ停止を示唆した場合、長期の利上げサイクル終了との思惑から米ドル安が進展する可能性がある。一方、7月以降も継続的な金融引き締め継続を示唆した場合、米ドル高が進展する展開も予想される。金の価格は米ドル建てで決定されていることから、USDが安い(高い)ほど金が高く(安く)買えるため、USD下落時には金価格が上昇する傾向がある。FOMCの結果次第で、USドルの値動きを通じて、金価格は上下双方に動く可能性がある。
金価格(XAU/USD)と米ドルインデックス(DXY)




資料:Trading View
金価格(XAU/USD)のテクニカル分析:FOMCでレンジブレイクなるか
金価格は5月中旬以降レンジでの推移が続いており、FOMCを控えた様子見スタンスが強まっている。テクニカル面では、20日指数移動平均線が50日指数移動平均線を下抜ける弱気の「デッドクロス」が成立しており、金の下落圧力が強いことを示唆している。RSIも50を下回っており、ゴールドにとって弱気のモメンタムである。しかしながら、水平サポートライン1,935ドルは強固に機能しており、明確な下落トレンドとは言えない。
FOMCにて7月FOMC以降の継続的な利上げを示唆する等、タカ派(金融引き締め的)スタンスが示された場合、米ドル高進展、金価格は下落、水平サポートラインである1,935ドルをトライしよう。同ラインを下方ブレイクすると、下落トレンドへの転換が示唆され、心理的節目である1,900ドルが視野に入る。
一方、利上げの終了が近いことを示唆する等、ハト派(金融緩和的)スタンスが示された場合、米ドル安進展、金価格は上昇、水平レジスタンスである1,985ドルをトライしよう。1,985ドルを終値ベースで超えると、上昇トレンドへの転換を示唆し、2,000ドル回復が視野に入る。
金価格(XAU/USD)日足チャート

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資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著