※2023年8月3日10時47分更新
金、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるアップデート
- 米長期債利回りの上昇で金価格は下落
- 個人トレーダーは強気姿勢を強めることで反応
- これはさらに下落するという警告か?



ここ2日間で金先物相場はほぼ1.7%下落した。これは、米長期債利回りの上昇、特に10年債と30年債の利回り上昇に反応した結果である。金/ドルは商品価値の裏付けがない不換通貨(紙幣)と異なり、(金そのものに)一定の価値が担保されている資産として取引されることがあり、ドルや国債利回りとは逆相関の関係にある。
現在、個人トレーダーは金のネットロング(買い持ち)を増やしているようだ。個人トレーダーのポジション状況についてはIGクライアントセンティメント(IGCS)で確認できる。IGCSは逆張り指標として機能する傾向がある。それを考慮すると、金はここからさらに下げ続ける可能性を示唆しているのだろうか?
金相場のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、金/ドルを取引する個人トレーダーの約76%がネットロング(金を買い持ち)にしている。大半は買い持ちに傾いているため、価格はこの先も下落し続ける可能性を示唆している。しかも、ネットロングのポジションを昨日と先週で比べると、2.96%、23.76%それぞれ増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、金/ドルの逆張り取引バイアスはさらに強気に傾いていると考えられる。
金/ドル (XAU/USD) 日足チャート

資料:TradingView
数日前、日足チャートでは20日移動平均線が50日移動平均線を上回る強気のゴールデンクロスが形成された。それ以来、小幅ながら下落が続き、ゴールデンクロスは無効になるリスクにさらされている。金/ドルは現在、5月下旬からの変曲点1,936を試している。
価格がさらに下降する場合は、2月からの上昇トレンドラインに注視されたい。このラインは、上向きのテクニカルバイアスを維持するのに役立っている。このラインを下方ブレイクすると、見通しが弱気に傾き、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1,903に意識が向くだろう。このフィボナッチ水準は、6月にサポートとして機能した。この水準を下抜けると、1,848の中間点が視野に入る。
一方、上昇に転じ、23.6%の水準1,971を突き抜けると、5月の高値圏に焦点が置かれる。



--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。