※2023年3月6日16時46分更新
金、金/ドル - テクニカル分析見通し
- 金価格は、強力なサポートエリアを上回る水準に位置している
- 金/ドルは現在、重要なレジスタンスのブレイクを試しており、ブレイクすれば1,876に向けて上昇する可能性がある
- 注目すべき重要な水準とは?



米アトランタ地区連銀のラファエル・ボスティック総裁が先週金曜、「(利上げは)ゆっくりと着実に」と発言し、米国債利回りが低下したことを受け、先週上昇した貴金属相場は、上昇基調を維持しているようだ。金相場はさらに上値を追うための要因を探しているように見える。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、7日と8日に上院銀行委員会で金融政策と経済に関する報告書に基づき、半期に一度の証言を行う予定だ。最近、FRBの利上げ観測が高まっているだけに、パウエル議長の証言は注目されている。1カ月前にパウエル議長は「ディスインフレ」を強調し、米雇用統計が好調だったにもかかわらず、積極的な引き締め姿勢は示さなかった。これと同様のトーンとなれば、金/ドルを押し上げる可能性がある。米金利先物は、現在4.50-4.75%であるFRBの誘導目標金利は9月に5.44%前後でピークを迎える(利上げの最終到達点)と予想している。1月末時点でのピーク予想は5%未満だった。
金/ドル(XAU/USD) 240分足チャート
資料:TradingView
一方、今週金曜発表の2月の米雇用者数は215,000人増と、1月(443,000人増)から減少し、失業率は50年来の低水準である3.5%付近を維持すると見られている。エコノミック・サプライズ指数が昨年4月以来の高水準付近にあることからも分かるように、米国の経済指標は月初めから予想を大きく上回る好調ぶりを見せている。
金/ドル(XAU/USD) 日足チャート
資料:TradingView
テクニカル指標からは、金先物相場は当面の安値を付けたように見える。金相場は、昨年8月の高値1,807、一目均衡表の雲の下限、200日移動平均線、レジスタンスからサポートに転換した89日移動平均線を含む1,775-1,810に収束されたかなり力強いサポートエリアを維持している(日足チャート参照)。
より短期の時間軸チャートに目を移すと、金相場は2月下旬からの水平トレンドラインという重要な天井1,847を上方ブレイクしようとしている。240分足チャートでこのブレイクが確認されると、200期間移動平均線(現在1,876付近)に向かって上昇する可能性が開かれる。しかし、1カ月間続いた下落圧力が弱まり、上昇に転じるには、金/ドルは2月9日の高値1,891を上抜ける必要がある。
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--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著