※2023年7月18日11時18分更新
金、銀、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート
- 金・銀の相場はここ数日、上昇している
- 個人トレーダーは再び、売り持ちを増やしている
- これは、金/ドルと銀/ドルの上昇を示唆している?



米国債利回りの低下とドル軟化を受け、金と銀の先物相場はここ数日、上昇している。これに呼応するように、個人トレーダーは貴金属の売り持ちを増加している。この個人トレーダーの動きについては、逆張り指標として機能するIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。これは、金/ドルと銀/ドルがさらに上値を追う展開につながるのだろうか?
金相場のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、金を取引する個人トレーダーの約66%がネットロング(金を買い持ち)にしている。大半のトレーダーが買い持ちに傾いていることから、この先も価格が下落し続ける可能性がある。とはいえ、ネットショートのポジションを昨日、先週で比べると、6.29%、14.69%それぞれ増加している。現在のセンチメント(ポジション状況)は買いに傾いているものの、最近の変動(日次、週次でのポジションの変化)を考慮すると、金相場がさらに上昇する可能性を示唆している。
金/ドル 日足チャート
日足チャートでは、金相場は5月からの短期下降トレンドラインを上方ブレイクしたことが確認された。これにより、昨年11月からの広範な上昇トレンドが再開する可能性が開かれた。とはいえ、価格はレジスタンスとなっている50日単純移動平均線(SMA)の突破には至っていない。このポイントの上方ブレイクが確認されれば、短期的な強気バイアスがさらに強まる可能性がある。その場合は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準1,971が視野に入る。
資料:TradingView



銀相場のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、銀を取引する個人トレーダーの約76%がネットロング(銀を買い持ち)にしている。ほとんどのトレーダーが買い持ちにしているため、この先も価格が下がり続ける可能性を示唆している。しかし、ショートポジションを昨日、先週で比較すると、1.54%、41.07%それぞれ増加している。現在のセンチメント(ポジション状況)は買いに傾いているものの、最近の変動(日次、週次でのポジションの変化)を考慮すると、銀相場が間もなく上昇トレンドに転換する可能性がある。



銀/ドル 日足チャート
銀相場は、5月からの短期下降トレンドラインとフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準24.66をともに上方ブレイクしたことが確認された。主なレジスタンスは14.6%のマイナーな水準25.22だ。このポイントを上回ると、25.85と26.21の間に形成された2022年4月の高値圏が意識される。このゾーンは4月に銀/ドルが行く手を阻まれ、下降に転じたエリアである。
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。