FXテクニカル分析:ユーロ円(EURJPY)
・ラガルドECBの利上げスタンス
8日の外為市場でユーロ円は 、2015年1月以来となる144円台へ上昇する局面が見られた(高値144.25)。対照的にユーロドルは1.0750レベルがレジスタンスポイントとして意識されている。日欧の金融政策スタンスの差が強く意識されているがゆえの対照的な値動きと考えることができる。
今日は欧州中央銀行(EBC)理事会が開催される。焦点はラガルドECBの利上げスタンスにある。短期金融市場では、現在マイナス0.5%にある預金ファシリティ金利が、9月にプラスになることを織り込む動きが見られる。しかし、インフレが高進し続けている(前年同月比で8.1%まで上昇している)状況を考えるならば、ラガルドECBは7月に0.5ポイントの利上げを行ってくる可能性は否定できない状況にある。今回の理事会でラガルドECBがインフレの見通しを引上げあると同時に大幅利上げのシグナルを送ってくる場合、ユーロ相場は急伸すると予想する。
・ユーロ円の動きに注目
ECBイベント後のユーロ相場で特に注目したいのが、冒頭で述べたユーロ円である。昨日はフィボナッチ・プロジェクション76.4%(144.59)の手前で上昇が止まった。しかし、138円のレジスタンスポイントやフィボナッチ・プロジェクション61.8%をあっけなく上方ブレイクした状況を考えるならば、日欧の金融政策スタンスの差を土台とした上昇の圧力は相当強い。その強さがECBイベントでさらに高まる場合は、76.4%の水準をあっさりと突破しよう。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -3% | -4% | -4% |
週次 | 5% | -5% | -3% |
・ユーロ円がさらに上昇する場合は
ユーロ円がさらに上値トライとなる場合は、2014年後半(11月下旬~12月中旬)にユーロ円の上昇を抑制した148.00レベルが次のレジスタンスポイントとして浮上する。テクニカルの面ではフィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準148.27レベルのトライ&ブレイクが焦点となろう。この水準をもブレイクする展開となれば、2014年の高値149.78および節目の150.00を視野に上昇幅がさらに拡大することが予想される。
ユーロ円のチャート
Refinitiv Eikon 日足(今年2月以降)
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