FXテクニカル分析:ドル円(USDJPY)
・日銀金融政策決定会合と円高リスク
今日は日銀金融政策決定会合の結果が公表される。金融引き締めが世界的な潮流として鮮明となる中、黒田日銀は現行の金融緩和政策を維持する公算が大きい。しかし、スイス中銀が予想外の利上げに踏み切ったことで、日銀に対する政策転換のプレッシャーはさらに高まっている。よって、今回の会合で注目すべきは、今後の政策運営について黒田総裁がどのような発言をするか?にある。リスク回避相場で円高の圧力が高まりやすいタイミングで金融緩和政策からの転換を思わせる言動があれば、円高の圧力を高める要因となり得る。
円相場のパフォーマンス:6月16日
基準日:2022年6月15日
・ドル円は21日線と短期サポートラインの攻防が焦点に
ドル円のリスクリバーサルの動きを確認すると、1週間と1ヶ月のそれらでドルプット優勢の状況が続いている。一方、短期のボラティリティ(オーバーナイト)は、2020年初頭のコロナパンデミック以来の水準まで急上昇している。これらの動きに加えて世界の株式市場がリスク回避相場にあること、思惑先行で上昇してきた米国債の利回りがFOMC後に低下している状況も合わせて考えるならば、ドル円は短期的に下落幅の拡大を警戒すべき局面にある。
ドル円のリスクリバーサルと短期のボラティリティ
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 9% | 8% | 9% |
週次 | -2% | 1% | 0% |
円高ムードが高まる中、テクニカルの面で注目したいのが21日移動平均線での攻防である。昨日は、131.63レベルで推移しているEMAでかろうじて相場がサポートされた。一方、SMAは今日現在、130.78レベルで推移している。これら移動平均線の間には、131.34レベルがある。この水準はレジスタンスポイントとして意識された経緯がある。サポートポイントへ転換する可能性はあるが、上で述べたリスクリバーサルとボラティリティの動き、そしてRSIでの下落のシグナル点灯やMACDでのデッドクロスの可能性も考えるならば、21日SMAのブレイクおよび130円トライの方を今は意識しておきたい。
ドル円が21日SMAだけでなく130円をも完全に下方ブレイクする場合は、3月以降の上昇トレンドを象徴してきた短期サポートライン(3月4日安値114.65レベルが起点)のトライ&ブレイクが焦点として浮上しよう。このラインは今日現在、129.75前後で推移している。
一方、ドル円が反発する場合は、133円台の回復と維持に注目したい。これを達成する場合は、昨日の高値134.67レベルのトライが次の焦点となろう。
ドル円のチャート
TradingView 日足(今年2月以降)