FXテクニカル分析:ドル円(USDJPY)
・目先の焦点は136.70レベルの攻防
米国債利回りの上昇は一服しているが、インフレ期待の低下で実質金利(10年)は再び上昇ムードにある。昨日の米ドル高の一因は、この実質金利の動きにあると考えられる。
もう一つの米ドル高要因は、リスク回避(米株安)である。実質金利が上昇トレンドを維持する場合、米国株のリスク要因であり続ける。よって今の米ドル相場は、2つの買い要因にサポートされやすい状況にある。
米ドル買いにサポートされ、ドル円は再び136円台の攻防となっている。連日の陽線引けで下値の水準が切り上がっている状況を考えるならば、今日の焦点は、何度も指摘しているフィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準136.70レベルのトライ&ブレイクとなろう。
本日の東京時間は、高値136.21レベルで上値が止められている(12時30分時点)。昨日の高値は136.38レベル。欧米時間でこれらレジスタンスポイントを突破する場合は、136.70トライのシグナルと想定したい。
ドル円が136.70レベルを完全に突破する場合、次の焦点は137円台への攻防シフトとなろう。
また、136.70レベルレジタンスからサポートのポイントへ転換するかどうか?この点の確認も重要な焦点となろう。
ドル円のチャート
TradingView 日足(今年3月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -7% | 1% | -1% |
週次 | -7% | 8% | 5% |
・137円台で注目しておきたい水準
ドル円が136.70レベルを突破し、137円台の攻防へシフトする場合は、最初に注目すべきポイントはどの水準になるのか?この点を過去の経緯から探ると、137.20台が浮上する。
ドル円のチャート
TradingView 週足(1998年6月~)
上の週足チャートを見ると137.20台は、1998年6月にサポートポイントとして意識された経緯がある。そして同年の9月から10月にかけてレジスタンスポイントへと転じた。その後、ドル円は111.86レベルまで急落し二度と137.20レベルをトライすることはなかった。
当時の動きが再現されるかは不明である。しかし、今年5月から6月の高安(直近の値動き)をベースとしたもうひとつのフィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準は137.19レベルにあたる(下の日足チャートを参照)。このテクニカルポイントが1998年後半に相場をレジストした水準とほぼ一致していることを考えるならば、ドル円が137円台の攻防へシフトする場合は、137.20台を重要レジスタンスポイントとして想定しておきたい。
ドル円のチャート
TradingView 日足(今年5月下旬以降)
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・下落局面での焦点は?
上で述べた各レジスタンスポイント(136.21、136.38、136.70)でドル円の上昇が止められる場合は、135円台で底固めできるかどうか?この点を確認したい。特に136.70レベルでの反落はダブルトップ形成を想起させる。それだけに135円台を維持できれば、市場参加者に地合いの強さを印象付けよう。
ドル円の下落幅が拡大し、昨日の安値135.10レベルを下方ブレイクする場合は、134円台への反落を想定しておきたい。このケースでは、134円台の維持が焦点となろう。サポートラインの候補である21日移動平均線(EMA)は今日現在、133.90台まで上昇している。ドル円が134円台(テクニカルの面では21日線)の維持に成功する場合は、やはり地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
ドル円のチャート
TradingView 日足(今年5月下旬以降)