FXテクニカル分析:ユーロドル(EURUSD)
・パリティ(1ユーロ=1米ドル)割れ後の展開を想定する局面に
ユーロドル(EURUSD)は1ユーロ=1米ドルのパリティ水準を視野に下落トレンドを維持している。通貨オプション市場のリスク・リバーサルを確認すると、ユーロプットに振れる展開(プットオーバー)が続いている。
欧州の地政学リスク(ロシアーウクライナ紛争の勃発と長期化)による高インフレとそれが欧州経済に及ぼす悪影響や米欧の利上げペースの差を考えるならば、ユーロドルはパリティ割れを想定すべき局面にある。
ユーロドルのリスクリバーサル
ブルームバーグのデータより作成 / 日足(今年6月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 7% | -2% | 3% |
週次 | 16% | -11% | 5% |
・1.0以下で注目しておきたいサポートポイント その1
予想どおりにユーロドル(EURUSD)がパリティ(1ユーロ=1米ドル)の水準をブレイクする場合、次のサポートポイントとして注目しておきたいのが、フィボナッチ・プロジェクションの中で重要とされる161.8%の水準0.9922レベルである。ここで反転する場合は、パリティ水準割れの達成感から、1.0以上の水準をすぐに回復することが予想される。
逆に161.8%の水準をあっさりと下方ブレイクする場合は、ユーロドルのさらなる下落を警戒したい。
同じくフィボナッチ・プロジェクションで次のサポートポイントを探ると、261.8%の水準0.9494レベル、つまり0.95レベルが浮上する。
この水準(0.95レベル)をトライする過程では、新たなレジスタンスポイントが明確になるだろう。ユーロドルが161.8%をあっさりと下方ブレイクする場合は、この点(新たなレジスタンスポイント)を見極めることも重要な焦点である。
ユーロドルのチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
テクニカル分析入門
サポートとレジスタンス
サポート / レジタンスについて学ぼう!
・1.0以下で注目しておきたいサポートポイント その2
上で述べたフィボナッチ・プロジェクションの水準(サポートポイントの候補)は、直近の値動きをベースに計算された水準である。
今度は、長期(2016年以降)のチャートポイントをベースにフィボナッチ・プロジェクションでサポートポイントを探ると、またもや161.8%が浮上する。その水準は0.9243レベルである
ユーロドルのチャート
TradingView 月足(2016年以降)
テクニカル分析入門
テクニカル分析チャートパターン
FXで勝ちたいならチャートパターンを学ぼう!
・1.0の攻防
ユーロドル(EURUSD)が1.0のパリティ水準をブレイクする場合、もう一つの焦点は、上でも述べた新たなレジスタンスポイントの水準を見極めることにある。
その候補として真っ先に注目したいのが、パリティ水準の1.0である。実際にこの水準がレジスタンスポイントとして相場の戻りを止める場合は、さらなるユーロ売りを誘発する可能性が高まろう。ゆえに、上で述べた0.95レベルや0.92レベルを視野に下落幅が拡大するシグナルともなり得る。
ユーロドルが1.0台を回復しても、レジタンスラインとして意識されている5日移動平均線(EMA)や1.02レベル(10日移動平均線-MA)の突破に成功しない限り、すぐに1.0以下の攻防へ転じる可能性を意識しておきたい。
ユーロドルのチャート
TradingView 日足(今年5月以降)