FXテクニカル分析:ユーロドル(EURUSD)
・パリティ価格1.00を視野に下落幅が拡大
ユーロドル(EURUSD)は、連日下値をトライする状況が続いている。昨日は安値1.0144レベルまで下落する局面が見られた。
フィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準(1.0187レベル)をも難なく下方ブレイクしたことで、パリティ価格の1.00まで明確なサポートポイントが見当たらない状況に陥っている。
通貨オプション市場のリスクリバーサル(1ヶ月)の動きを確認すると、ユーロプットの圧力がひとまず後退しつつある(7/6:-2.1 → 7/8:-1.825)。
しかし、ロシアーウクライナ紛争の長期化による欧州経済の先行きリスクや米欧の金融引き締めペースの差を考えるならば、下値トライを意識する状況が続く可能性が高い。
本日もユーロドルが続落し、1.01台をもあっさりと下抜ける場合は、パリティ価格1.00トライの可能性が一段と高まろう。
ユーロ売り/米ドル買いが止まらずに、1.00の水準をも下方ブレイクする展開となれば、フィボナッチ・プロジェクションの重要ポイント161.8%の水準0.9922レベルが次のサポートポイントの候補として浮上しよう。
ユーロドルのチャート
TradingView 日足(5月中旬以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 2% | -4% | -1% |
週次 | -6% | 22% | 5% |
・売られ過ぎのユーロドル
ユーロドルは、7月に入り約3.2%も下落している(1日の高値1.0485レベルから7日安値1.01442)。それ以前からの下落幅も考えるならば、短期間で明らかに売られ過ぎの状況にある。
ユーロドルのチャート
TradingView 1時間足(7月以降)
・まずは5日線のトライ&ブレイク
ユーロドルの「売られ過ぎ」状態は、RSIも示唆している(下の日足チャートを参照)。
現在の状況を確認すると、「売られ過ぎ」の水準30を下回っている(29.81)。そして、再び30台を目指すムードがあることも考えるならば、単発にせよユーロドルの反発を想定しておきたい。
ユーロドルの反発要因として今日注目したいイベントが、6月米雇用統計である。
これが米ドル売りイベントとなる場合、最初に注目すべきテクニカルラインが5日移動平均線(MA)である。先月29日以降、このMAはレジスタンスラインとして相場の上値を止める局面が見られる。
現在、相場の戻りを止めている1.0220レベル(上の1時間足を参照)の突破は、5日線をトライするシグナルと想定しておきたい。
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・次は1.02ミドルレベルのトライ&ブレイク
ユーロドルが5日線の突破に成功する場合、次の上値ポイントは1.02ミドルレベルのトライ&ブレイクである。
1.0255レベルは、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準にあたる。
すぐ上の1.0265レベルは、今月5日にサポートポイントとして、6日にレジタンスポイントとして意識された経緯がある(ローソク足の実体ベース)。現在は、レジタンスポイントとして意識される可能性がある。
ユーロドルが1.0265レベルの突破にも成功するならば一気に1.03トライ-と考えたいところだが、そう判断するためには、サポートからレジスタンスのポイントへ転換するムードが見られる1.0280の突破を確認したい(上の1時間足を参照)。この水準をも難なく上方ブレイクする場合は、ユーロドルの1.03トライを予想する。
ユーロドルのチャート
TradingView 日足(6月中旬以降)