FXテクニカル分析:ユーロドル(EURUSD)
・ディセンディング・トライアングル
ユーロ円では、アセンディング・トライアングルのパターン形成の可能性があることを今日のテクニカル分析記事で指摘した。
一方、ユーロドルはディセンディング・トライアングルのパターン形成の可能性がある。
実際に年初来からのトレンドを確認すると、1.15レベルが強烈なレジスタンスポイントとして意識され、1.08 レベルがサポートポイントからレジスタンスポイントへ転換し、これらのトレンドが合わさった結果、レジスタンスラインを形成している。
オシレーター系指標のRSI(下限30-上限70)とストキャスティクス(下限20-上限80)に明確なトレンドシグナルは見られないが、21日移動平均線(EMA)で戻りが止められている状況を考えるならば、ユーロドルの地合いは弱い。
アメリカとユーロ圏ではともに景気の後退リスクが意識される状況にあるが、ロシアーウクライナ紛争の長期化はユーロ圏経済により大きなダメージを与えるだろう。そして今年の米欧利上げペースの差も考えるならば、ユーロドルは下落トレンドの維持よるディセンディング・トライアングル形成の可能性を意識する局面にある。
ユーロドルのチャート
TradingView 日足(年初来)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 13% | 4% | 10% |
週次 | 16% | -19% | 1% |
・目先のレジスタンスポイント
上で述べた予想に従ってユーロドルがさらに下値を目指す場合、目先の焦点は1.0350レベルのトライ&ブレイクである。
直近の動向を確認すると、二度1.0350レベルで相場がサポートされた。三度この水準でユーロドルが反発する場合は、短期的なユーロの買戻し相場を想定したい。このケースでは、上記の21日線(EMA)および新たなレジスタンスポイントとして意識され始めている1.06レベルのトライ&ブレイクが焦点となろう。
ユーロドルの反発基調が続き1.06を完全にブレイクする場合は、レジスタンスライン(上の日足チャート / 今日現在1.0635前後)の攻防が次の焦点として浮上しよう。
この重要ライン(レジスタンスライン)をも突破する展開となれば、1.0750レベルまでユーロの反発相場が進行する展開を想定しておきたい。
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・1.0350ブレイク後の注目ポイントは
一方、ユーロドルが1.0350レベルを一気に下方ブレイクする場合、下落幅の拡大を想定したい。
このケースでは、フィボナッチ・プロジェクションの76.4%(1.0279レベル)および100.0%の水準(1.0178レベル)の攻防に注目したい。
また、1.03ブレイク後に注目すべきもうひとつのポイントは、ユーロドルの反発局面で1.0350レベルがサポートからレジスタンスのポイントへ転換するかどうか?この点を確認することにある。
上で述べたとおり、1.08レベルでその状況(サポート→レジスタンス)が発生し、その後ユーロドルの下落幅が拡大した。重要サポートポイントのレジタンス転換は、相場の地合いの弱さを市場参加者に印象付ける要因になり得ることを1.08レベルの攻防は示唆している。
ユーロドルのチャート
TradingView 日足(今年5月以降)