FXテクニカル分析:ユーロ円(EURJPY)
・138円ブレイクなら下落幅の拡大を警戒
ユーロ圏の景気先行きリスクが重石となり、ユーロドル(EURUSD)は、新たなレンジの攻防へシフトしている(こちらのレポートを参照)。
そして、米国の債券市場でもインフレと金融引き締め政策より、景気後退の懸念の方が強く意識され、利回りには低下の圧力が強まっている。この動きを受け、ドル円(USDJPY)の上昇は抑制されている。
これらの状況を考えるならば、ユーロ円(EURJPY)は下落幅の拡大を警戒すべき局面にある。
事実、ユーロ円は昨日、短期サポートラインを大陰線で下方ブレイクした。
そして今日の東京時間には、7月1日の分析記事で指摘したサポートポイントをことごとく下方ブレイクしている。
これらの動きを反映し、MACDはユーロ円の地合いの弱さを示すトレンドとなっている(2つ目の日足チャートを参照)。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 9% | 10% | 9% |
週次 | 5% | 0% | 3% |
上で述べた状況を総合的に考えるならば、目先のユーロ円は、138.00レベルおよびフィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準137.87レベルのトライ&ブレイクが焦点となろう。
このテクニカルポイントの上の水準には、75日移動平均線(EMA)が推移している。
また137.84レベルは、6月16日の安値水準にあたる。
ユーロ円が、重要サポートポイントの137.80台を完全に下方ブレイクする場合は、136.70レベルまでの下落を警戒したい。この水準は今年の5月にサポートとしてもレジタンスとしても意識された経緯がある。現在は、再びサポートポイントとして意識されるかどうか?この点を確認する必要がある。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 16% | 7% | 9% |
週次 | 13% | -3% | 1% |
・短期レジスタンスライン(10日線)を突破できない限り
一方、ユーロ円が反発する場合、目先はフィボナッチ・リトレースメント23.6%から半値戻しまでの各ポイントの攻防に注目したい。これらの水準は、サポートポイントとして意識された経緯がある。よって、これらテクニカルポイントがレジタンスポイントへ転換する場合は、ユーロ円の地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。
リトレースメント以外で注目すべきポイントは、サポートラインとしてもレジスタンスラインとしても意識される局面が見られた10日移動平均線(SMA)のトライ&ブレイクである。
この移動平均線は現在、短期レジスタンスラインと並行している。7月5日の相場では、見事にこれらテクニカルラインがユーロ円の上昇を止めた。
「10日線=短期レジスタンスライン」と捉え、このテクニカルラインの突破が確認できない限りは、ユーロ円の下値トライを常に意識しておきたい。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(今年6月以降)
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