EUR/USD、EUR/JPY、ECB、FOMC-トーキングポイント



ECBの利上げ織り込み
FOMCが終了、FRBはあと2回の利上げを示唆するも、実際に利上げするかはデータ次第であることを強調した。金融市場はFRBの2回の利上げを織り込んでおらず、1回弱の利上げを次回もしくはその次のFOMCで実施することを予想している。
本日はECB理事会、明日は日本銀行が金融政策決定会合を開催する。ECBは本日の理事会で利上げ、更に追加で1回利上げを実施することが金融市場で織り込まれている。FRBと比べると、今後の利上げ織り込みが進展している。

資料:Bloomberg、OIS市場のデータよりDailyFX.comが作成。
インフレは更なる利上げを示唆
しかしながら、ユーロ圏のインフレ率は米国と比べて高い。また、ユーロ圏のコアインフレは高止まりしている。インフレ抑制のために、ECBは更なる一段の金融引き締めをする必要があることを示唆している。
金融市場が織り込んでいる2回以上の利上げの必要性をECBが示唆、ユーロ高要因になる可能性がある。

資料:Trading Economics
ユーロドル(EURUSD)のテクニカル分析:ユーロ高米ドル安
200日指数移動平均線を下方ブレイクせず、サポートラインとして強固に機能しており、ユーロ高地合いが強いことを投資家に印象付けている。
また、MACD(移動平均収束拡散手法)ラインがシグナルラインを上抜け、更にRSIも50超えに転換しており、ユーロ高米ドル安トレンドへの転換を示唆している。
現在、水平レジスタンスライン1.084ドルの上抜けにトライしている。ECB理事会で当面の金融引き締め継続が示された場合、レジスタンスをブレイク、EUR高トレンドが一段と鮮明になろう。フィボナッチリトレースメント61.8%水準の1.092ドルが視野に入る。更に、上昇の勢いが衰えなかった場合、心理的節目1.10を目指すことを見込む。
一方、ECBが先行きの景気減速懸念等を背景に近い将来の利上げ停止を示唆した場合、9日指数移動平均線(現在1.078ドル)でサポートされるかに注目。下抜けた場合、6月に入ってからのユーロ高トレンドが終了、200日指数移動平均線(現在1.069ドル)まで下落する可能性がある。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -3% | 3% | -1% |
週次 | -10% | 16% | -2% |
ユーロドル(EURUSD)日足チャート

資料:Trading View
ユーロ円(EURJPY)のテクニカル分析:ユーロ高円安
ユーロ円はユーロ高円安を示唆するアセンディングトライアングルパターンを上抜け、ユーロ高円安トレンドが一段と鮮明になっている。ECB理事会で当面の金融引き締め継続が示唆された場合、一段のユーロ高円安を見込む。3月中旬から5月にかけてのユーロ円の動きに基づいたフィボナッチエクステンション61.8%水準である154.035円が視野に入る。
一方、反落する場合、アセンディングトライアングルパターン上限の151.075円でサポートされるかに注目。サポートされた場合、再度154.035円をトライする展開を想定する。
ユーロ円(EURJPY)日足チャート

変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -10% | -6% | -7% |
週次 | -17% | -7% | -10% |
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著